2018年W杯の気分を盛り上げるコマーシャル6選

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 ワールドカップ・トロフィーが盗まれる? バーブシカ(おばあさん)たちとサッカー? いじめを克服するためのインスピレーションとしてネイマールJr.を利用? もしこれらの宣伝があなたの中にワールドカップ熱を巻き起こさないというなら、もうどうしようもない。

 またこの時がやって来た。4年に一度、考えられないことが起きる。サッカーが世界を停止させ、スター選手のキャリアが打ち立てられては破られ、人々はパジャマ姿でギリシア・ナイジェリア戦を観ることを口実に何もしなくても許される。

 我々はこの時を待ちに待ってきた。今回はこの世界最大のサッカーの祭典の舞台がロシアであるからなおさらだ。もし夏のサッカーの祭典で盛り上がるための理由がそれ以外に必要ならば、本大会前に公開された宣伝の傑作集を見ることをお勧めする。きっとあなたの気分を乗せてくれるはずだ。

1. ビーツ・バイ・ドレ(ガイ・リッチー監督)

 これは大変良い。

 ビーツは、過去にケンドリック・ラマーやコナー・マクレガーを起用した記憶に残る宣伝を作っている。ガイ・リッチーが監督を務めたこの宣伝は、今年のワールドカップに先立って作られた近年の宣伝の中で最も印象的なものの一つだ。

 ビデオクリップの最初と最後に映し出されるのは質素なモスクワ郊外で、主人公はアンドレイ(「ロシアサッカーの未来」と称される)という少年だ。性格の悪そうな不良たちに絡まれてしまい窮地に陥るが、幸運にも場面は切り替わり、ハリー・ケインやネイマールJr.、バンジャマン・メンディ、「ドイツの少年、いやトルコの少年、いやトルコ系ドイツ人ムスリムの少年」と紹介されるメスト・エジルのサクセス・ストーリーが展開する。彼らからインスピレーションを得て、アンドレイ少年は不良たちの頭越しに、ゴールの右隅に見事なフリーキックを決め、不良たちを黙らせる。彼はスター選手になる第一歩を踏み出したのだ。とくとご覧あれ。

 リッチー監督のトレードマークである皮肉の効いたハイプマンのおどけた調子と、アンダーソン・パークの曲「Bubblin」で仕上げられたこの宣伝を見ると、あたかもこれから自分の出番が来るかのような気持ちになる。これでワールドカップ気分に切り替わらないのなら、もうどうしようもない。

2. ロシア第1チャンネル

 これはまたとない機会であることを強調する過度にドラマチックなサッカーCMの定番で、今夏のワールドカップ・ロシア大会の視聴者に対して、チャンピオンズリーグの音楽と本質的に同様の効果を持っている。

 なにより、この宣伝は開催国紹介という性格が強い。ビデオクリップは日の出を背景としたボリショイ劇場を通り過ぎる鳥たちの羽音から始まり、それからプロのサッカー選手のパフォーマンスをロシア屈指のバレリーナたちのそれになぞらえる映像が続く。ややこじつけかもしれないが、とはいえ大会の当事者や視聴者にとってワールドカップが何であるかを情熱的に表現したものと言える。

 力強い弦楽器の演奏とファンの声援をバックにロシアの魅力的な大聖堂を映し出すこの宣伝は、日没を望むママエフ・クルガンの映像をともにスターリングラードの魂を呼び起こしつつ幕を閉じる。少年少女よ、舞台は整った。

3. アディダス

 90秒間のCMに何人のスターを登場させることができるのだろうか。どうやらその答えは、「たくさん」だ。

 ネオンの色調を帯びたケージ内サッカーのCMには、数人を挙げるだけでも、リオネル・メッシ、モハメド・サラー、デレ・アリ、ジェシー・リンガード、ロベルト・フィルミーノ、ポール・ポグバ、デビッド・ベッカムなどの錚々たる面々が登場している。これでは不十分という人のために補足すれば、ストームジーやエイサップ・ファーグ、ファレル・ウィリアムスも、精神的・音響的なサポートを目的として出演している。彼らはそれぞれ、サッカーや曲などで全力を尽くしている。明かりは美しく、曖昧に思えるファーグの鼓舞的な言葉も、サッカー場のピッチに(しかもなるだけ恰好良く)登場したいという欲求を掻き立ててくれるように感じられる。

4. ビーウィン

 先のスターリングラードほど重々しくないこの宣伝は、KGBをテーマにした冗談めかしたサスペンスで、ワールドカップ・トロフィーが盗まれるという内容だ。ばかばかしく思えるかもしれないが、トロフィーの盗難は実際に一度あったことだ(この時トロフィーはピクルスという犬によって無事発見された)。

 さてこの宣伝では、ワールドカップ・トロフィーが盗まれたという警察の発表(ロシア語)が世界中を震撼させ、カフー、ディエゴ・マラドーナ、シュテファン・エッフェンベルク、ビセンテ・デル・ボスケのうちの誰が犯人なのかについての謎解きを視聴者に委ねるという筋立てになっている。我々はマラドーナに賭けるとしよう。彼には何かある。

 クレムリンの眺めは素晴らしいが、冷戦の雰囲気はいかにも芝居じみている。実際の警察が宣伝の中よりもこうした事態にしっかりと備えてくれていることを祈ろう(今のところ素晴らしい働きをしているが)。

5. バドワイザー・グローバル

 バドはやや気味の悪い宣伝を作った。

 この暗く陰鬱な宣伝の舞台は、ビールを飲みたいという欲求が人間味溢れるドローンによって瞬時に満たされる世界だ。これはユートピアかディストピアか。少なくとも、ファンたちは気にしていないようだ。とにかく、バドワイザーは明らかに注記を怠っているが、スタジアム内にドローンと酒を持ち込んではならない。まあ元気を出しましょう。

 ドローンたちはモスクワを飛ぶ間、メトロで周囲から怪しい目で見られたり(なぜドローンがメトロに乗る必要があるのかは、神のみぞ知る)、ロシア人の女性たちとコミュニケーションを取ったりもする。

 聞いただけで奇妙に思えるが(そして実際に奇妙だが)、モスクワを驚異的なものとして見せるディストピア的美学のようなものも感じられる。例えば、ルジニキ・スタジアムとその背景に浮かび上がるモスクワ大学を映し出した最後のシーンは、ワールドカップの決勝戦の景色そのものだ。選手たちはこの舞台へ向かう途中で鳥肌が立つのを感じることもないかもしれない。だが観客はきっと感動に震えるであろう。

6. ロシア・ワールドカップ招致PV(2010年当時の価値観そのままに……)

 このプロモーションビデオの初めの3分は、『トレインスポッティング』の最初のシーンのロシア版だろうか。そうかもしれない。構図はそっくりだ。つまり、ある画期的な鋭い目的意識を持った少年が、有頂天なダンスミュージックに合わせてどこかへ走っていく。

 印象的なのは、この少年(サーシャ)がボールをドリブルしながらロシア中をめぐるということだ。道中彼はバーブシカや遊牧民、砂浜で気ままに過ごす若者、バレリーナ、ステージ上のロック歌手、シベリア鉄道で夕食をとる乗客に出会う。これが陳腐な2000年代のヴィンテージ品であることは疑いない。決勝戦でロシアとイタリアが1対1の同点という展開まで予想されている(2010年当時、ピッチ上の成績に関する見通しは両チームにとってさほど悲惨なものではなかったようだ)。

 何はともあれ、これが感情のこもったノスタルジックなビデオであることは間違いない。8年を経て、今その時が来た。ワールドカップ2018、我々の準備は万全だ。

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