セルゲイ・シロトキン:F1レースに登場したロシアの期待の星

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オレグ・エゴロフ
 1月にウィリアムズ・チームに加入したセルゲイ・シロトキンは、シングルシートカー・レーシングの最も権威あるカテゴリーで戦う3人目のロシア人レーサーとなった。フォーミュラ1での彼のキャリアは先人たちよりも前途が明るいと期待されている。その理由をお話ししよう。

 2018年のシーズン、22歳のセルゲイ・シロトキンが、カナダのランス・ストロールとパートナーを組み、ウィリアムズ・チームを代表してレースに出場するだろう――ウィリアムズ・マルティーニ・レーシング・チームが公式にこう発表する2ヶ月前、レーシング・アナリストの大半は、ロシアの者も含めて、このモスクワ人を勝ち目のない者と見ていた。

 ウィリアムズは引退したフェリペ・マッサの後継を探していた。誰もが、チームはポーランドのロベルト・クビツァを取るだろうと信じていた。クビツァは33歳のベテランレーサーで、2011年の大惨事の後、復帰を果たしていた。

 「セルゲイのチャンスはささやかなものだ。ウィリアムズへの合流に向けて動き出すのが遅すぎ、またクビツァと違ってF1での経験が一切ない。」Sports.ruのアルチョム・ルバンコフ氏はこう書いていた。

 

勝ち目のない者、勝つ

 しかし、ルバンコフ氏はシロトキンがテストドライブで秀でた成績を出すことができれば、彼がクビツァに勝つチャンスはあるだろうと考えていた。そしてシロトキンはまさにそれをやってのけた。アブダビでのピレリ・タイヤテストにおいて、クビツァより速くフィニッシュしたのだ。こうして彼は2018年のウィリアムズの公式のドライバーとなり、クビツァは補欠となった。

  「セルゲイは彼のドライブのペースと才能、整備場およびトラックサイドにおける技術的なフィードバックと仕事に対する倫理観でチームに良い印象を与えた。」ウィリアムズのチーフテクニカルオフィサーのパディ・ロウは話す。

 シロトキンのレーシング・パートナーとなったランス・ストロールもまた、ロシア人の新しい仲間を歓迎した。「私はセルゲイを知っている。私たちはすぐに仕事上の緊密な関係を築けるだろう。」

 では、フォーミュラ1で一度も戦ったことのないロシア人が、どのようにして今の地位を得たのだろうか。

 

ロシア人が入り、ロシア人が去る

 多くのレーシングカー・ドライバーと同様に、シロトキンのキャリアも彼がまだ12歳の時、レーシングカートで始まった。2010年から2013年に彼はフォーミュラの下位カテゴリーのトーナメントで戦い、スイスのザウバー・チームの一員として2013年に最上位のカテゴリーに参戦した。彼はザウバー、続いてルノー・チームで働いたが、テストドライバーあるいは補欠としてだった。したがってウィリアムズの今回の決定により、2018年3月に予定されているオーストリア・グランプリが彼の公式なドライバーとしての初舞台となる。

 シロトキンがフォーミュラ1でデビューする一方、以前トーナメントに出場していたロシア人ドライバー、ダニール・クヴャトは一歩後退する。シロトキンより一歳年上のクヴャトは2015年からレッドブルとトロ・ロッソのチームでレースしていたが、レッドブルとの契約を終え、フェラーリで育成ドライバーとして働くことになった。つまり次のシーズンはトラックに姿を現すことはない。したがってシロトキンは、クヴャトに代わって、フォーミュラ1におけるロシア出身の主要レーサーとなる。

 

待ち受ける課題 

 シロトキンの前途は多難だ。クヴャトは最初のシーズンで幸先の良いスタートを切ったかに見えたが、何度か不幸に見舞われ、結果的にフォーミュラ1のキャリアにおいて一旦足踏みをすることになった。いくつかの要因を考えると、シロトキンがより成功するかは分からない。 

 Sports.ruのルバンコフ氏は、シロトキンが直面する可能性のある問題を挙げる。まず、ルノーでは補欠レーサーであったために、2017年はトラックにほとんど出ていない。したがって楽なデビューではない。また、ウィリアムズ・チームでストロールに次ぐナンバー2として、世間からのプレッシャーは大きいだろう。しかしシロトキンには、こうした障壁を乗り越えられるだけの強みもある。

 

シロトキンの強み

 コメルサント紙のアレクセイ・ドスペホフ氏が言うように、シロトキンは非常に経験豊かなレーサーだ。フォーミュラ3、Auto GP、フォーミュラ・ルノー3.5といったレーシング・トーナメントで数年間戦い、優勝してきたことは、このロシア人がルーキーなどではないこと、プレッシャーに打ち克てることを意味する。

 またシロトキンは、トロ・ロッソ時代のクヴャトよりもよい労働環境に恵まれることが見込まれている。ルバンコフ氏によれば、「彼らのマシンはより速く、より信頼できる。」したがってシロトキンはクヴャトのように常に技術的な問題に直面することはなさそうだ。

 さらに、彼は大学の学位を持つエンジニアとして(彼はモスクワ自動車道路工科大学を卒業している)、テスト中のフィードバックですでにウィリアムズのエンジニアたちを感嘆させている。事がうまく行けば、若いロシア人レーサーは彼の新チームにとって欠かせない存在となるだろう。

 

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