優勝はMiG-29戦闘機
雨が降っていてもエンジン音は豪快に響き渡り、観客も目の前の対決に集中していた。観客席は満席で、悪天候はむしろムードを盛り上げた。戦闘機が必ずしも1位通過を続けていたわけではないが、結果的にMiG-29戦闘機が優勝した。
優勝した戦闘機のテスト・パイロットであるパーヴェル・ヴラソフ氏は、こう成功の秘訣を明かした。「優勝のチャンスは自動車と航空機のどちらにもあった。すべてが技術と天候で決まるわけじゃない。パイロットやドライバーが競争条件のすべてのニュアンスをつかむことが鍵」
自動車の中で一番優勝に近かったのが三菱ランサー・エボリューションVIII ARS。運転していたのはロシアおよび東欧の指折りの名ドライバー、ドミトリー・プレシャコフ氏。これまでカー・レースでさまざまな経験を積み重ねてきたが、このような形式のイベントには衝撃を受けたようだ。「イベントは終わったみたいだけど、いまだにレーサーである自分が航空機と対決したってことが信じられない。とにかく喜びしかないね。来年もまた是非こういうイベントに参加したい!」
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ユニークな自動車のショー「オートエキゾチック」も同時開催
フォルサジュの一環として、「オートエキゾチック」ショーも行われた。このショーは長年、独立したイベントとして、旧トゥシノ飛行場で行われていた。飛行場は10日間、見本市の会場、休暇ゾーン、交流の場になっていた。今年の会場はラメンスコエ空港。その色彩の鮮やかさで多くの人をひきつけた。集められた自動車には、ユニークさという共通点がある。
中でもチェレパノフ夫妻の自動車ヒュンダイ・クーペのプロジェクト「ジュース」は、何度も自動車雑誌の表紙を飾っている。鮮明なオレンジ色の美しい車は、外観だけではなく、中身も印象的。トランクに設置された音響システムのパワーを、多くの来場者が評価していた。イワン&エカチェリーナ・チェレパノフ夫妻は、旧トゥシノ飛行場時代から参加している。ショーが進化していることの良い点と悪い点について聞くと、こう述べた。「良い点しかないと思う。安全になったし。大切なのは来場者にとっておもしろみが増していること」とイワンさん。
「フォルサジュ2014」は自動車と航空機のイベント史に新たな1ページを加えた。ラメンスコエ空港、参加者、来場者は、会場のエンジン音、力強さ、速度、拍手、歓声を長く記憶することだろう。