「ロシア」はいつどこで誰によって建国されたか?

ロシア・ビヨンド, PHAS/Getty Images, ロシア国立古代法所蔵
 人々が集まって「ロシア国家を立ち上げよう」と決めた明確な時があったわけではない。しかし、ロシア国家の基盤を意識的に築いた人、時、場所はあった。

 「ロシアはいつ建国されたのか?」という質問への答えは複数ある。歴史の中には、言わばいくつかの異なるロシア国家があったからだ。

ルーシ(ロス)人およびロシアに関する最初の言及は

 最初に言及される日付は862年。12世紀に編纂された『原初年代記』によれば、この年にリューリク(そして彼の弟であり、おそらく補佐でもあったシネウスとトルヴォル)が、ノヴゴロドの住民によって招聘されて、彼らの土地を支配し、彼らを敵から守ったとされる。歴史家たちは、この時点からリューリク朝の歴史をたどる。

 しかし、外国の年代記では、862年以前から、黒海北岸周辺に住んでいた人々が「ロス人」と呼ばれていた。たとえば、830~882年をカバーする、フランク王国の『サンベルタン年代記』には、「ロス人」および、839年時点で彼らを治めていた王について言及されている。

 その後、10世紀に、ビザンツ皇帝コンスタンティノス7世(905~959年。通称は「ポルフュロゲネトス」)は、ペチェネーグ(黒海北岸周辺の遊牧民)が「Rosia」と戦い、その首都キエフを攻撃したことに触れている。

ビザンツ皇帝コンスタンティノス7世

 したがって、「ロス人」とその土地への最初の言及は、キエフ大公国に関するものだった。これは、キエフを首都に戴いた、ゆるい構造をもつ国家で、9~13世紀に存在したが、13世紀に侵攻してきたモンゴル帝国に蹂躙され、崩壊した。

 しかし、モンゴル帝国の侵略により、結局、リューリクの末裔であるロシアの公たちはその勢力を、現在の中央ロシア北東部において統合することになった。

モスクワ公国の台頭

 13世紀、リューリクの末裔の一人、ダニール・アレクサンドロヴィチ(1261~1303)が、初代モスクワ公として、モスクワ公国の最初の支配者になった。以後、とりわけダニールの息子であるイワン・カリター(1288~1341)の治下で、モスクワは北東ルーシ(ロシアの古名)で最も重要な都市になっていく。

ダニール・アレクサンドロヴィチ

 やがてモスクワ大公国は、モンゴル帝国の流れをくむキプチャク・ハン国(ジョチ・ウルス)に対する、ルーシの公たちの戦いを主導し始める。そのきっかけは、モスクワ大公ドミトリー・ドンスコイ(1350~1389)が勝利した「クリコヴォの戦い」(1380)。これは、モンゴル・タタールに対する、モスクワ主導下での最初の大勝利だ。

 キプチャク・ハン国との戦いが、モスクワの権力下でのロシアの統合、およびロシア・ツァーリ国形成の主因の1つだった点で、歴史家の意見は一致する。しかし、それはまだ「ロシア」と呼ばれてはいなかった!

モスクワ大公国の覇者イワン3

 15世紀半ばには、モスクワ公国は非常に強力になっており、各公国とその軍隊を糾合して、モンゴル・タタールに対し、「ウグラ河畔の対峙」と呼ばれる決定的勝利を得ることができた。

 このときにモスクワ軍を率いたのは、モスクワ大公のイワン3世(大帝、1440~1505)。彼は、「全ルーシの支配者(ゴスダーリ)」という称号を有していた。

イワン3世

 イワン3世は、いくつかの大改革を実施し、モスクワ大公国の覇権を完成させた。彼の治世に、今日我々が知っているモスクワのクレムリンが、イタリアの建築家たちによって建てられた。そのなかには、ウスペンスキー大聖堂(生神女就寝大聖堂)も含まれる。これは、当時のこの国で最も壮大で華麗に装飾された大聖堂だった。 

 また、イワン3世の下で、1497年の法典「スジェブニク」が導入され、モスクワ大公国の住民に対して、統一された法的環境が整えられ、さらに、「双頭の鷲」が国章に採用された。1497年にモスクワ大公国の紋章となっている。

イワン3世の印章

 イワン3世はまた、外交文書で「ツァーリ」という称号を初めて用いたモスクワ大公でもあった。この称号は、以前はキプチャク・ハン国のハンに対してロシア人が使っていた。だから、モスクワ大公に対するこの称号の使用は、ヨーロッパの政治地図上に独立したモスクワ国家が出現したことを明確にした。

 1547年にイワン4世(雷帝、1530~1584)がツァーリとして戴冠したとき、彼の正式な称号には「全ルーシのツァーリ」という言葉が含まれていた。つまり、独立国家としてのロシアは、モスクワ大公国のイワン3世の下で形成されたと言える。そしてこの国は、彼の孫イワン4世の下で「ロシア・ツァーリ国」となった。

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