ロシアが今まで米国をいかに助けてきたか:意図的にあるいは意図せずして

Pfc. William E. Poulson/U.S. National Archives, Getty Images, NASA
 1861年から2020年まで、ロシアはアメリカに、最も重要なそして「あり得ない」援助あるいは利益をもたらしてきた。

1. ロシアは南北戦争で北軍を支持した

ロシアのフリゲート「オスリャービャ」、アレクサンドリア (バージニア州)、1863年。

 ロシアは南北戦争の初めから、エイブラハム・リンカーンの政府を唯一正当な政府として認め、その見解を明確に示していた。

 「ロシアは何よりも一つの不可分な国家としてのユニオン(アメリカ合衆国)の維持を望んでいる」。アレクサンドル・ゴルチャコフ外相は1862年に、在サンクトペテルブルクの米大使館のベイヤード・テイラー書記官に書いた。 

 ロシア皇帝アレクサンドル2世は、1861年にロシアの農奴制を廃止していた。リンカーンが1863年の奴隷解放宣言を発するわずか2年前のことだ。これは、南部諸州の奴隷制廃止を宣言したものである。

 アレクサンドル2世は、6隻の軍艦からなるロシア艦隊をニューヨーク港に送り、さらにサンフランシスコに6隻の軍艦を派遣して、その立場を行動で示した。北軍の2つの主要な港にロシア軍がいることで、南軍による急襲を防ぐことができた。

 

2. アラスカを米国に売却

ノヴォ・アルハンゲリスク、アラスカ、1837年

 1867年、ロシアは、自国の領土だったアラスカを米国に720万ドルで売却した。20年後、米国はそこに莫大な金の埋蔵量を発見する。その後のゴールドラッシュで、米国の当初のささやかな投資は、数億ドルのハイリターンとなった。

 ロシアは、中央政府から遠すぎて管理しにくい土地を米国に売ったわけだが、それで米国に49番目の州を与えることになり、しかも、歴史の中でこの地が貴重きわまりないことがわかった。

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3. 第二次世界大戦中にロシアは対独戦を主導した

トルガウで出会い、肩を抱き合って記念写真を撮るアメリカ軍のロバートソン中尉(左側)とソ連軍のシルヴァシュコ中尉(右側)

 米国とソ連は第二次世界大戦中の同盟国だった。両国は共通の敵である枢軸国に対して結束し、両国の努力が共通の勝利に大きく貢献した。

 しかしその一方で、衆目の一致するところだが、ソ連は戦争の重荷を背負い、勝利のために他国よりも多くの人命と資源を犠牲にした。ソ連はこの戦争で2660万人を失ったが、米国の犠牲者は40万5000人だった。

 ソ連がこれほど枢軸国軍と熾烈に戦っていなければ、この戦争はおそらく、米国その他の連合国にとってはるかに壊滅的なものとなっただろう。

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4. ロシアは米国に団結と覇権主義の口実を与えた

「ふざけないで!」、ソ連のポスター、1948年

 実はロシアは、米国に繰り返し「貢献」してきた。それは、1917年のロシア革命から2016年の米国大統領選挙にいたるまで、延々と続いている。

 事の始まりは、ロシア革命後、米国の干渉軍がロシアのウラジオストクに上陸したことだ。このとき米軍は、ロシアの内戦中にボリシェヴィキ政権の伸長を防ごうとしたのだが、この時以来、米国と新たに形成されたソ連との関係はたいてい緊張していた。

 しかし、いかにパラドキシカルに聞こえようと、ソ連は実際のところ、期せずして米国の覇権確立を助けた。というのは、米国は初めは戦後のヨーロッパで、その後は世界の他の地域で、ソ連の影響に対抗しなければならなかったから。

 奇妙なことに、ロシアの意図せぬ「支援」は、ソ連崩壊で止まらなかった。伝統的な「外敵」――「悪の帝国」――のイメージは、2016年の米大統領選とその直後に、同国でまたぶり返している。

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5. 宇宙開発で米国を助ける

 言うまでもないが、米ソ間で続いた対立は、宇宙探査のパイオニアである米ソ間の競争に転じた。ほとんどの人がまず思い浮かべるのは、米国の1969年のアポロ11号による月着陸成功だ。

 しかし、もしソ連が1959年にルナ2号を月面に到達させてなかったとしたら、さらに重要なことには、1961年に世界初の有人宇宙飛行を成功させていなかったとしたら、アポロ11号の月着陸は果たして可能だったろうか。

 だが、米国の宇宙開発へのロシアの貢献は、単なる競争だけではなかった。ロシアはまた、複数のモジュールを接続する、世界初のタイプの宇宙ステーションを、1986~1996年に軌道上で組み立てた。この宇宙ステーション「ミール」は、国際宇宙ステーション(ISS)の前身であり、米国のNASAとロシアのロスコスモスの長期にわたる協力関係を開始した。

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