ロシアにはこれまでも力強いテクノロジー文化が常に存在していたものの、この国ではオタクが起業家になることはまれであった。彼らは自分の頭脳やアイデアをロシアの大企業に売ったり、アメリカのシリコンバレーや中国に行った。しかし最近は変化が起こっている。
この5–6年に、数多くのロシアの新規企業が急成長している。これを起こした人たちはどのような人たちなのであろうか?東ヨーロッパで新規企業コンテストを行っている、GoTechイノベーションによると、ロシアではテクノロジー分野の起業家は主に、5つの大学出身であるということだ。
この5大学とは、ITMO大学(サンクトペテルブルク情報技術・機械・光学大学)、モスクワ国立大学、サンクトペテルブルク大学、バウマン記念モスクワ国立工科大学、MIPT(モスクワ物理工科大学)である。
GoTechイノベーションは、過去3年間のコンテストの参加者のデータを分析して、テクノロジー分野での起業家をどの大学がもっとも輩出しているかを調べた。2017年だけでも、ロシアの120都市から715社が新たに起業した。
GoTechによれば、サンクトペテルブルクのTIMOはランキングの一位で、起業家の5.5%がここの出身だ。シベリアや他のロシアの地方の大学は、STEMプログラムの質の良さが知られているが、今年のランキングの上位10大学はモスクワとサンクトペテルブルクの大学に限られた。ウラル連邦大学はかろうじて11位であった。
GoTechのCEOであるイリーナ・カラシニコワ氏は、ロシアの起業は、海外への留学経験を持つものが増えている、と指摘する。
「年々、起業する人の数は増加しているが、彼らは、外国で専門的な教育やビジネスの教育を受けている場合が結構ある。今年はすでに5.5%の人がそうだ」とイリーナ氏は言う。
GoTechによると、ロシアで起業家を輩出している大学は、国内、海外を含めて200を超える。
GoTechの共同創設者であるパヴェル・ベロフ氏によれば、近年、アクセラレータプログラム、ビジネスインキュベーターや他の機関の発達と、ロシアの上位大学の努力が相まって、テクノロジー分野での起業家が増加傾向にある。「ロシアでは起業家は新しいロックスターのようなものだ。以前は、優秀な人は大学を卒業すると、給料の高い仕事についたり、研究室に残ったものだが、今では、自分の会社を作って世界に打って出ると言う、もう一つのチャンスを見出したのだ」。
GoTechコンテストに参加したテクノロジー分野での起業家の出身大学比率
5.5% ITMO 大学
5.3% モスクワ国立大学
3.9% サンクトペテルブルク大学
3.6% バウマン国立工科大学
3.5% MIPT
2.6% MPEI (モスクワ発電工学研究所)
2.4% ロシア国立研究大学経済高等学院
2.2% サンクトペテルブルク工科大学
2.2% プレハーノフ記念ロシア経済アカデミー
*この数字はGoTech2017に参加した新規企業の全経営者の出身大学の比率
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