オーストラリアの料理店主の家庭に生まれたセビー・ケニオンは、絶対にシェフにはなりたくなかった。彼はラグビーで栄光をつかむことが自分の将来の姿だと信じていた。しかし、何度か不運な怪我を重ねて、スポーツマンとしてのキャリアに終止符を打ち、家族の後を継いで料理の道へ入ることになった。
数年後、オーストラリアとフランス(パリのレストラン「フレンチ・トゥ・ゴー」)で働いているときに、セビー・ケニオンは同僚のオーストラリア人シェフ、グレン・バリスの手伝いでモスクワのレストラン「レスアーティスツ」へ来た。まもなく彼は、ヴォロネジの新しいレストランで働かないかと招かれた。そのレストランはたちまち人気となり、彼はそこでオリジナルのパストラミサンドやハンバーガーを創った。
オレンジのビター・ママレード付き子牛の肉。
Press photo現在ケニオンはモスクワの「ステイク・イット・イージー」で働いている。この店と、カザンにあるセビー・キッチン&バーで、彼は牛やチキンや魚を鼻から尻尾、あるいは嘴まで丸ごとすべてを最良の方法で料理に使い尽くすことにトライしている。12月には、モスクワで新しい店をオープンする予定だ。私たちは、彼がどんな料理の企画を考えているのか聞きたいとお願いし、フォアグラ入り「ガルブツィ」の極秘レシピを教えてもらった。
モスクワのレストラン「ステイク・イット・イージー」(Steak It Easy)
Press photo最初の息子がここで生まれましたから、僕にとっては特別な場所です。ここに3年もいるつもりだったかな? おそらく、そのつもりはなかったです。でも僕はこの街が本当に好きです。
この12月、モスクワに「セブズ・ロー・アンド・ファイアー・バー」がオープンします。僕は、肉や魚を売っているここの大きな市場に行くと本当に興奮します。ワインやビールも出しますから、大きなオープングリルの火を囲んでもらう場所になる予定です。
僕は今、モスクワにニューヨーク・ピッツェリアとニューヨークスタイルのベーカリーを作っています。僕はクロワッサンが大好きなんです。フランス人の友人たちと提携して新年にはオープンしたいと思っています。
グレープフルーツのナッツミックス入りブリュレ。
Press photo「ガルブツィ」(ロールキャベツ)を食べるのが僕が大好きです。僕たちは、蒸し煮にした牛肉とフォアグラ、それに、撹拌したボルシチソースで煮込んだキャベツを使って「ガルブツィ」を作ってみました。これは、イギリス、フランス、ウクライナ、ロシアを旅した成果です。
フォアグラを入れたガルブツィ。
Press photo1.肉、人参、じゃがいも、キャベツ、玉ねぎを千切りにする。
2.ビーツを水に入れ、玉ねぎと人参を加える。トマトペースト、酢、砂糖を加え、野菜に火が通るまでコトコト煮こむ。
3.煮立てた肉汁にキャベツを加え、半分ほど火が通るまで煮る。それから、じゃがいもを加え、野菜に火が通るまで煮こむ。最後に、火を通した玉ねぎ、ビーツ、人参を加えたら、弱火で煮こんで出来上がり。
1.牛肉を両面とも焼く。天板に焼いた肉を置き、野菜ボルシチのペーストを半量、デミグラスソース、肉汁(ブロス)を加える。オーブンに入れ肉が柔らかくなるまで煮こむ。
2.キャベツの葉を準備する。厚めのものをはがして、沸騰したお湯に湯通しする。
3.人参を茹でてから千切りにする。
4.玉ねぎをみじん切りにし、アメ色になるまで炒める。
5.肉フィリングを作る。牛肉を細かく切る。茹でた人参、玉ねぎ、小片にしたフォアグラ、肉汁を少し加える。
6.キャベツの葉に肉フィリングを包みこみ、天板に並べたら残りのボルシチペーストを加え、煮こんだら出来上がり。
7.「ガルブツィ」にサワークリームを添え、刻んだハーブを散らして出す。
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