クリームのようなヴォログダ・バターのおいしい5の事実

Legion Media
 ロシア北部の伝説的なバターは、絵画「戦争の結末」とどう関係があるのだろうか。

 「ヴォログダ・バター」は、ロシアの最も有名な食品の一つで、ヴォログダ州の真の象徴。試食する価値はある。5つのおいしい事実をここにあげる。

 

  1. 戦争画家ワシリー・ヴェレシチャーギンの兄

ニコライ・ヴェレシチャーギン

 ヴォログダ・バターを考案したのは、絵画「戦争の結末」の作者であるロシアの有名な戦争画家ワシリー・ヴェレシチャーギンの兄、ニコライ・ヴェレシチャーギン。ワシリーの作品には、非常に高値がつく。2014年、クリスティーズで絵画「アグラの真珠のモスク」は610万ドル(約6億8930万円)で落札された。

 ニコライはロシア帝国ノヴゴロド県チェレポヴェツ(現在はヴォログダ州チェレポヴェツ)で生まれ、国でバター・チーズ製造産業を確立し、農民バター製造協同組合を設立した。1860年代にスイス、デンマーク、ドイツで酪農産業を研究し、ヴォログダ県、ノヴゴロド県、ヤロスラヴリ県、トゥーラ県で複数の工場を設立した。これ以前は、ロシア人は溶かしバターを好んでいたため、ニコライの事業はロシアの酪農産業の転換点になった。

 

  1. フランス・バターの影響

 ニコライ・ヴェレシチャギンは1878年パリ万博でノルマンディーのバターを見つけ、その風味豊かな味わいに感動。ここに着想を得た。翌年、ヴォログダ市に近いモロチノエ村に、最初のバター製造工場を開業した。ちなみに、ロシア語でモロチノエとは「乳製品」を意味する。

 ホット・クリームを使って風味を豊かにする新しい技術を考案した。ヴォログダで多種多様な草を与えられていた牛の牛乳を原料とした。牛乳20~40リットルで、バターが1キロできる。これは「パリ甘バター」と呼ばれていたが、海外ではペテルブルクから輸出されていたため、「ペテルブルク」として知られていた。ヴォログダ・バターと呼ばれるようになったのは、ソ連時代に入ってからである。

 

  1. 州名が製品名に

 このバターには、会社名ではなく、州名がついている。2010年以降は、ヴォログダ州で製造されたバターのみがヴォログダ・バターと呼ばれており、それ以外で製造されたものはすべて偽造品とみなされている。このような保護のされ方をしている食品ブランドは、ロシアには他にない。また、マーガリンや他の乳製品には州名はつかず、バター限定である。

 

  1. 賞味期間は30

 監督機関「ロシア品質体系」によると、ヴォログダ・バターは「高品質で安全」である。味や香りに文句なく、「クリーミー」な味わい、と専門家は評価している。

 このバターは滑らかで、冷凍庫で凍結せず、室温で柔らかくなり、その形状を保持する。地元住民のミハイル・クラルスノゴルスキーさんは、バターに「甘みがある」と話す。

 バターの材料は牛乳またはクリーム、時に塩が加えられる。製品には、乳脂肪分82%の「スリヴォチノエ」(「クリーム」)と乳脂肪分72.5%の「クレスチヤンスコエ」(「農民」)の2種がある。

 天然成分の製品であるため、保存期間はわずか30日。これを過ぎると、風味は消えていく。

 

  1. ロシアで愛されるバター

ヴォログダ牛乳コンビナート

 ヴォログダ州に大手ブランドのバターが仕入れられるようになるまで、地元ではヴォログダ・バターが店頭で購入できる唯一のバターであった。今日、ロシアではさまざまなブランドのバターが売られているが、ヴォログダ・バターの人気はとても高い。

 「品質が良いからここのバターが好き。いつでもおいしいと確信を持てるもの。他の街の友だちへのプレゼントにもなる」とクラルスノゴルスキーさん。

 地元の工場では、ヴォログダ・バターをベースにしたアイスクリームやチョコレート・バターも製造されている。チョコレート・バターは朝の食卓で、子どもたちに大人気だ。

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