セルゲイ・ミヘエフ/ロシア新聞撮影
フォーラムでは、エネルギー、投資、地方インフラ、スポーツの4つのテーマで意見交換が行われたが、主要な問題となったのは投資。その構造にはバランスが必要だ。
投資のバランス
経団連の佐々木則夫副会長によると、日本の経済界の極東への関心は高まり続けているという。経団連企業の58%が、極東を有望な地域としている。昨年、日本から行われた直接投資の91%が極東向けであった(約100億ドル≒1兆2000億円)。極東で活動している日本企業はすでに140社。
「日本企業は、これまでと同様、ロシア市場への投資を希望している。しかしながら、ロシアから日本への投資は、今のところ、それほど多くない」と佐々木副会長。有望な分野の一つとなり得るのは、研究開発。「日本の知的財産の保護レベルは有数の高さにあるなど、多くの理由からこれは有益である」と佐々木副会長。
「日本には確かに、ロシア企業がほとんどない。投資の約90%が日本側。これは多くが貿易の構造と関係している。ロシアは主に、エネルギー資源の供給のみ。また、日本には複雑な規制条件がある」と、ロシア科学アカデミー世界経済・国際関係研究所日本経済・政治部のヴィタリー・シュヴィトコ部長は話す。
活動に便利な条件
ロシア代表団は、ウラジオストクの自由港プロジェクトへの参加を日本の経済界に提案した。
また、極東発展省のセルゲイ・カチャエフ次官は、ロシアでの活動を希望する日本の投資家向けの経済特区案を提起した。
またこれ以外にも、可能な日本企業との協力の方向性として、投資プロジェクトの導入、およびプロジェクトの活動を支える港インフラ、農業インフラ、エンジニアリング・インフラの構築の2つをカチャエフ次官はあげた。
「外国企業が率先発展領域(TOR)のオペレータとなれるような新しい協力形式を、我々は検討している。この案は議論の段階にある」と、極東発展省広報課は後に説明した。
現在、極東では3ヶ所のTORが承認済み。日本企業はハバロフスクのTORのプロジェクト2件に参加している。「双日」はハバロフスク空港の国際線ターミナルを、「日揮」は複合温室施設を建設しようとしている。
「日本企業のロシアの農業への進出は新しいトレンドである。日本では農業分野の技術革新が非常に発展している。より効率的に安く食料を生産する技術をロシアに導入することに日本企業は関心を持っている」とシュヴィトコ部長。ロシアにはそのための未開拓市場、大規模農場の運営の可能性、国産化(輸入代替)の需要があるという。
もう一つの有望な協力分野として、都市のインフラがあげられた。日本企業は渋滞対策、温室効果ガス排出量の削減、エネルギー消費の最適化など、東京とモスクワを例とした大都市の最適化を提案した。
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