エフゲニア・メドベージェワ=
ウラジーミル・ペスニャ撮影/ロシア通信- 勝利から2時間が経ちました。いまどんな気持ちですか?
「いまもすっかり混乱したままです」
-フリープログラムでキム・ヨナの世界記録を更新しました。
「ただもう、ショック状態です。0.04ポイント上回りました」
- シーズンを通じてコンディションを保つのは難しいことでしたか?
「もちろん難しかったです。でも、これはスポーツです。意志力というものを示さなければなりません。意思の力でリンクに出、戦うのです。体調面では今回が一番、強い意志が必要になったスタートでした。体力は限界でした。だってシーズンの最後ですから。誰もが大変だった、そしてその中で戦っていたのです」
- シーズンで一番大変なスタートだった?
「いいえ。一番大変だったのは、ブラチスラヴァの欧州選手権です。精神的に困難だったのです。現地練習も全くさせてもらえませんでした。フリップもトーループも一度もできなかったのです。そこから私たちはもう一度始めました。少しずつコンディションを戻していきました。そして、すべてうまく行きだしたのです」
ショートプログラムの結果は、米国選手グレイシー・ゴールドに遅れをとり、2位だった。この状況も冷静に受け止めていたという。
「グレイシーが1位でショートプログラムを終える、というシナリオには準備ができていました。私のすべきことは、ただ、息を抜き、気分を変えて、自分の仕事をすることだけでした。フリーのリンクに出て、自分に何ができるかを示してみせることだけでした」- フリーのリンクに出て行くのは大変なことでしたか?
「いつもとまったく変わりません。エテリ・ゲオルギエヴナ(コーチ。姓はトゥトベリーゼ)が励ましてくれました。正直に言って、そう心配してもいなかったのです。ほとんど不安はありませんでした。ここ(ボストン)は非常にアットホームな雰囲気です。みんなの応援を感じられます。観客席からロシア語で「ジェーニャ、がんばれ!」なんて叫びも聞えるんです」
「キスアンドクライを立ったとき、私の頭にあったのは、たった一つのことです。「寝たい!」。だってモスクワ時間では午前7時です。立っていられないほど疲れていました。でも新しいルールで、すぐに更衣室には行けません。「グリーンルーム」でアーニャ(アンナ・ポゴリラヤ)、浅田真央ちゃんと一緒に、残りの選手の評価が出るのを待っていました。ちょっとでも雰囲気を明るくしようと思って、真央ちゃんに日本語の詩を暗唱しました。すぐには分かってもらえず、近くに座って「もう一回言って」と言います。私は繰り返しました。真央ちゃんは、驚きのあまり、椅子から転げ落ちそうになりました」
- どんな詩ですか?
「というより、歌詞なんです、日本のアニメの。各26エピソードで、もう何シーズンめかに入っているやつです。何度も聞いているうち、覚えてしまったんです。日本人の記者たちの前でも暗唱したら、みんな気絶しそうにしていましたよ」
「2つの必須科目を受けないといけません。ロシア語、数学です。それから選択科目で生物学と英語の2科目があります。でも、一番大事なのは 数学とロシア語です。世界選手権前のひと月は、やはり、しっかり勉強したとは言えません。時間はまだ2週間あります。がんばって勉強します」
コーチのエテリ・トゥトベリーゼ(42)はメドベージェワを教え子に持って8年になる。2007年からの付き合いだ。ソチ五輪金メダリスト(団体戦)のユリヤ・リプニツカヤ(17)も担当していたが、今シーズンの初めにたもとを分かっている。
「私のスポーツ向きの性格はエテリ・ゲオルギエヴナの薫陶のたまものです。スポーツがなかったら、私がどんな人間になっていたか、私には分かりません。けれど、私の負けず嫌いとか、目標に向かって邁進する姿勢は、確実にコーチからもらったものです」
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