クストジエフの寓話的作品は、赤い旗を振り、群衆を共産主義的未来へと導く、新たな世界の指導者、ボリシェヴィキの巨大な人物を描いている。この絵はソ連政府の気に入り、後にトレチャコフ美術館の新館のコレクションに含められた。
ペトロフ=ヴォトキンの作品は、構成、色、象徴性においてイコン(聖像画)に近いものであった。ペトロフ=ヴォトキンは新たな共産主義社会における真のイコン画家となり、「ペトログラードの1918年」(「ペトログラードのマドンナ」のタイトルでも知られる)はエンブレム的な「イコン」の一つとなった。背景には街を襲う革命のカオス―煽動のビラ、周回をする群衆、割られた窓などが描かれている。暴動を背景に、新たなロシアの新たな人生のシンボルとして、白いプラトークをつけた穏やかな女性が赤ん坊を抱いている。
後に、アレクサンドル・デイネカのスタイルはソツリアリズム(社会主義リアリズム)に近いものになったが、革命10周年までは「装飾的なシルエットの手法」を取り入れた。作品は1周連続したように描かれている。下の部分では兵士たちは内戦に向かい、上の部分では、兵士たちがその後、外套に身を包んで家路につく様子が描かれている。
革命の指導者ウラジーミル・レーニンは間違いなく、ソ連国家の主要な神であり、偶像であった。絵画では、レーニンの姿はきわめて丁寧に描かれ、度々、その生い立ちが神話化された。小屋で革命のペトログラードへの突撃を待つ、演台に立つ、装甲車に乗る、スボートニク(勤労奉仕)に参加するなど、さまざまに描かれた。ソ連時代のもっとも有名な肖像画の1枚は、連隊旗の上に浮かび上がっている。
ソ連誕生後の数年で、ソ連政府は実りある労働のために健康促進を推し進めた。スポーツと体育のプロパガンダは、画家たちの主要なテーマの一つであった。アレクサンドル・サモフヴァロフは政府からの注文を受け、スポーツの喜びをテーマにした絵画をいくつか残している。
ソ連の公式芸術であるソツリアリズムのシンボルの1枚。広い大通り、自動車、変革する街、注ぐ光の中、女性(ソ連時代、男性と女性は平等とされた)が自動車を運転する・・・。
ソ連芸術の巨大な作品は、第二次世界大戦中のソ連兵士たちのヒロイズムに捧げられている。「セヴァストーポリ防衛」はもっとも有名な戦争画の一つで、勇気に対する真の讃歌である。
この作品でゲラシモフは村、コルホーズ、農民を称えている。代表作である「パルチザンの母」には、恐れることなく敵の目を見つめる素朴な村の女性が描かれている。
この絵はソ連時代とても有名となり、トレチャコフ美術館が購入したが、教科書、ポスター、切手などのデザインにも使われた。
フルシチョフの雪解け時代の喜びの光に満ちた代表的な作品。すべてのピオネールと同様、朝の体操をする少女が主題として描かれている。少女は「肉体と精神を鍛えている」だけでなく、光り輝く未来に向かう新しいー日を正しく始めているのである。
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