プーチン大統領 就任後初のインタビュー

写真提供:kremlin.ru

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ロシアのプーチン大統領は、就任後初となるテレビのインタビューで、ウラジオストクで開催中のアジア太平洋経済協力(APEC)会議への期待、またシリア情勢、アメリカ大統領選挙、パンク・グループ「プッシー・ライオット」といったホットな問題など、内政と外交について語った。

「経済を優先」

多くの主要なAPEC参加国は、シリア紛争などの重要な国際問題で合意にいたることができないが、プーチン大統領はAPECで政治が経済を圧迫する危険性を感じているか、という質問に対し、こう強調した。

「APECは、経済問題を協議するフォーラムとして発足した。議長国として参加国を受け入れるロシアは、経済や社会問題に注意を向けさせるつもりだ」。

また、「ロシアはすでに経済危機の波を経験しているため、何をすべきかを理解しており、不況と闘う手段も心得ている」ことから、新たな経済危機の波に対してはよりしっかりとした準備ができている、と説明した。

「締めつけ」るのですか?

内政問題については、ロシア政府が国の民主化路線を今後も取り続けていくことを強調した。

また、プーチン大統領の再任後、反体制派に対する”締めつけ”が始まったという意見については、次のように述べた。「それが反体制派の指導者を含むすべての人に対し、法律を守るよう要求するということであれば、確かにそれは徹底的に要求していく」。

パンク・グループ「プッシー・ライオット」のメンバーが2月21日、救世主ハリストス大聖堂にマスクをかぶって乱入し、拡声器を使って「パンク祈祷」を行った。裁判所は、フーリガン行為の罪で、逮捕された3人に禁錮2年の実刑判決を下した。

また、パンク・グループ「プッシー・ライオット」のメンバーが騒動を起こし、その措置について国内外で波紋を呼んでいることについてもコメントした。

プーチン大統領は、ソ連の初期に宗教が禁止されたことで、聖職者が弾圧され、多くの教会が破壊され、すべての伝統的な宗教が大きな損害を被り、信者にとっては苦難の時代だったことに触れて、「一般的に言って、国には信者の感情を守る義務がある」と述べた。

 「変革が流血をともなってはならない」

プーチン大統領は、ロシア政府が対シリアの立場を見直すつもりのないことを、改めて強調した。「他の国も交渉のプロセスで、自国の立場を見直すべきではないか。ここ数年の間に起きたことを思い出す度に、他の国が主導権を握って解決しようとした問題のうち、思惑通りの結末を迎えたケースが少ないことを指摘したくなる」。

国連のデータによると、2011年3月から続いているシリア情勢で、犠牲者の数は1万7000人にのぼっている。西側諸国と中東諸国の一部は、アサド大統領を退陣させれば暴力が止まると考え、そのために働きかけている。ロシアと中国は、シリア情勢に対する内政干渉と、国家機能の喪失により情勢が悪化することを懸念している。

ロシアはシリアに変革が必要だということは十分理解しているが、流血が必要だという意味ではないと述べた。

「何をすべきかということについては、紛争地域への武器の供給が止まらないため、それを停止することが先決だと思う」。

プーチン大統領は、中東で起こっていることを総括しながら、「アラブの春」の革命では、アラブ各国の政府が改革の時機を失したのが原因だとの意見を述べた。

「これらの国の指導者は、自国や世界で起こっている傾向を察知せず、適時に必要な改革を行わなかった」。

 

「選挙用のレトリック」 

アメリカの大統領選に出馬している共和党のミット・ロムニー候補が、ロシアを「地政学的な敵のナンバーワン」とみなし、それを表明したことについては、「選挙向けのレトリックにすぎない」と一蹴した。ロムニー候補が当選した場合、ロシア政府は協力していくと述べた。「アメリカ国民が選ぶ人物と、我々は協力していく」。