2024年8月15日、ロシア政府は、外国人へのビザ発給の手続きを変更した。その新規則によると、ビザを発行する政府機関の職員は、外国人に個別面接を行わなければならない。
ただし、東京の「ロシアビザ・センター」に電話で確認したところ、日本人には基本的に面接は不要とのこと。
面接で聞かれることは?
新規則では、以下の情報を確認するとされている。すなわち、当該の外国人のロシア連邦への旅行の目的、およびロシア領内での滞在の仕方。
つまり、面接では、その外国人がなぜロシアに渡航するのか、どこに滞在するのか、ロシア国内でどのように移動するのかなどについて聞かれる。また面接で、旅行の目的を確認できる追加書類を提出するよう求められることもある。
なぜ新規則が必要か?
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官によると、ロシアへの不法移民や、ロシア経由での近隣諸国への不法移民を取り締まるためには、こうした措置が必要であるという。
面接はすべてのタイプのビザに必要か?
いや、例外はある。2023年8月から、55か国の国民は、自国のロシア領事館に行かずに、ロシア連邦に入国する電子ビザを申請できる(これがどんなタイプのビザか、どの国の国民が取得できるかについては、詳しくはこちらをご覧ください)。
また、ロシア旅行産業連合・国際協力委員会のセルゲイ・ヴォイトヴィチ委員長が述べているように、新規則は電子ビザには適用されない。電子ビザは、ロシア政府の別の法令によって管理されている。
ロシアに入国するためには、ほとんどのヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、さらにアフリカと南米の一部の国では、依然として通常の「紙の」ビザが必要だ。新規則はこれらの国に関係するものである。
一方、CIS諸国、キューバ、ベネズエラを含む65か国の国民は、ロシア・ビザを必要としない。
新規則は通過ビザ(トランジットビザ)にもかかわるか?
然り、関係する。しかし、その人が今、自国以外に滞在中で、これから自国に戻らねばならないとして、その唯一のルートがロシア経由である場合には、通過ビザの申請で面接を受けなくてもよい。
「ロシア連邦領を通過しなければ自国に帰れないケースはしばしばある――ほかに代替ルートがない場合も含めて」。
このようにロシア外務省は説明する。