1. エカテリンブルクから100キロほど離れた場所に信じられないような風景が広がっている。この場所は地元の人々から「ウラルの火星」と呼ばれている。実は昔、ここは粘土採掘場だった。
2. ここはウラル地方最大の鉱床の一つだ。20キロメートルにわたって広がり、面積は約75平方キロメートルにも及ぶ。
3. この鉱床は19世紀にはすでに開発が開始された。1930年にはロシア初となる粘土製品を生産するボグダノヴィチ煉瓦工場が建設された。
4. ここで生産された赤レンガは、ウラル地方の製鉄所の建設にも使われた。
5. この地方の粘土は、白色から石炭のような黒色までさまざまな色をしている。粘土に鉄、雲母、黄鉄鉱などの不純物が含まれている。多くの場所では粘土が乾燥してひびが入っている。
6. ここに植物はほとんど育たない。その代わりに青や茶色といった不気味な色をした湖が存在する。これが「火星のような」風景を作り出している。湖の色は、石英、白鉄鉱、イルメナイト、金紅石などの鉱物の多寡によって決まる。
7. この場所のいくつかの湖には島があるが、そこにたどり着くことはほぼ不可能だ。水の中に入ることも泳ぐこともできない。なぜなら工場からの排水で汚染されているからだ。
8. 何十年もかけてこの水が粘土層の割れ目を侵食し、採石場の赤褐色の粘土層はホタテ貝のような形となった。
9. 厳密に言えば、この場所は観光地などではなく、工業地帯なのだ。しかし、インスタグラマーを止めることなどできようか。答えは自ずとわかるだろう。
10. ちなみにウラル地方ではボグダノヴィチへの写真撮影ツアーもあるのだ。そこでは宇宙服を着て写真を撮ることができる。
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