ロシアの秘められた冒険旅行体験5選

Legion Media
 ロシアで人混み避け人けのないところへ行きたいのなら、次はどのフライトを予約したらいい? ここにご紹介する場所をチェックしよう。

1.北極ウラル

 たいていの旅行者にとって、ウラル山脈といえばおそらく、シベリア鉄道でエカテリンブルクとクルガンの間に広がる風光明媚な景色を想像することだろう。しかし、あまり人のいない所に関心を持つ人には、ヨーロッパロシアとシベリアの間に広がる、この歴史的にも地理的にも最北の地、北極ウラルがロシア最高の冒険を体験させてくれるだろう。

 北極ウラルは、北部のサレハルド、ヴォルクタ、ヤマル半島の間を走り、ロシア国内で最も僻地となる地域の中心だ。山をナビゲートしたいなら、遊牧の民ネネツ人の文化へ入り込み、まるで別世界のような北極圏のツンドラの中で、チューム(ネネツのテント)で一晩過ごすという一風変わった体験が待っている。

 極夜の真っただ中を、モスクワからサレハルドへ飛ぶこともできる。その後、北極ウラルを超えてヤマル半島までスノーモービルでの旅を楽しむこともできる。北極圏の強風だけでなく、昨冬は道中の視界が最低限しかなく大変だったにもかかわらず、ここは、ロシアで最もエキサイティングな冒険旅行が経験できる、ダントツの場所のひとつだ。

2.北コーカサス

 ロシアは、雪と氷の地という先入観をもたれることが多いが、英国バックパッカー協会の創設者のひとり、アダム・スローパーは、「北コーカサスへの旅は、そうした先入観を打ち砕いてくれる」と言った。さらに、ロシアの南部国境には渓谷や古城や砂漠があり、訪れる者たちに、ロシア連邦への理解を問い直させる。

 モスクワ、イスタンブール、シャールジャからチェチェン共和国の首都グローズイまでは飛行機で行ける。その後、マルシュルートカというミニバスを使い、ロシアとアゼルバイジャン国境のデルベントへ陸路で向かう。途中、世界で最も深い峡谷のひとつスラークを訪ねたり、マハチカラのすぐ外にあるサルィ・クム砂丘を登ることもできる。北コーカサスでは、世界一級の冒険旅行が楽しめるにもかかわらず、旅行先としてここを発見した旅好きのマイケル・ワローは、「チェチェンとダゲスタンの人びとのもてなしの心が、この地域で本当に最高のものだ」と述べている。

3.冬のヤクーチヤ

  寒い地域を訪れるなんて、休日の選択としてはありえないと思うかもしれないが、しっかりしたコートと冒険の気持ちがあれば、まつげも凍る土地への旅はロシアで最もユニークな冒険旅行の経験になるだろう。ヤクーチヤに冒険に来ることをつらいと思わせないほどの、果てしなく雪に覆われた自然公園、ドラマティックなクリスタルブルーの氷の道、そして、この地域の主な観光ルート沿いに点在する家々では、マイナス50℃にも達する気温にもかかわらず、素晴らしく温かいもてなし(それに、室内はとっても暖かい!)を受けてホームステイができる。旅行客は、この、冬のワンダーランドから一生の記憶に残る温かな思い出をもって帰ることだろう。

 心底冒険好きな旅行者なら、シベリアの都市ティンダからマルシュルートカに24時間乗ってこの地域に入ることも可能だ。しかし、ほとんどのビジターはモスクワ、ソウル、あるいはハルビンから、この地域の首都ヤクーツクへ飛行機で向かっている。ヤクーツクからの一般的な訪問先は、定住地のなかで世界一寒い都市オイミヤコンか、冬の印象的なハイキング先であるレナ川の柱群だ。しかし、ヤクーチアはインドとほぼ同じ大きさなので、旅行の目的地に事欠くということはない。

 4.チュイスキー・トラクト

 ノヴォシビルスクからロシア・モンゴル国境まで、車で旅する人たちをロシアで最もわくわくさせる道のひとつチュイスキー・トラクトが蛇行している。中央アルタイ共和国の印象的な山景をまっすぐに縦断し、コシュ=アガチ地区の魔法のような草原の風景に終わる、この地域の車旅は、旅行者たちに、ユルト(遊牧民のテント)や火山性温泉や雪を冠した山々が特徴の素晴らしく風光明媚な景色を見せてくれる。このルートは、実のところ自動車だけではない――チュイスキー・トラクトの町を訪れる人たちは、ジップワイヤーを満喫したり、馬を駆って草原を走り抜けたり、さらに、ロシアで最もエキサイティングな白く泡立つ川をいかだで下ったりすることもできる。

 アルタイ共和国の首都ゴルノ=アルタイスクは、モスクワからも直行便が就航してはいるが、便数が少なく比較的値段も高いため、旅行客はノヴォシビルスク行きの便を好むことが多い。 その後、ビイスク行きの夜行列車に乗り、その先のゴルノ=アルタイスクまではタクシーを使う。ゴルノ=アルタイスクからモンゴル国境までは、マルシュルートカやタクシーなどがいつも簡単に手配でき、チビートのような非常に風光明媚な場所で車を停めながら、南シベリアの見ごとな自然の美しさを大いに楽しむことができる。

5.カムチャッカ

 カムチャッカは、モスクワからほぼ世界半周分のところにある火と氷の半島で、極上の島だ。ここは、地質学的に世界で最も活発な地域のひとつであり、さらに、非常に珍しい景観が見られる場所で、訪れた人たちは、自分たちがまったく別の惑星に来てしまったと感じるかもしれない。噴煙を吐く火山でいっぱいの地平線を期待しよう――ここは、自然を、その最も生の、原始のままで見せてくれる場所、そして、インスタ映えする場所だ。

 カムチャッカは他の地域につながる道がないため(そう、まさに人里離れた土地だ!)、旅行客は通常、モスクワかウラジオストクから直行便で半島に入る。この地域の首都にあたるペトロパヴロフスク・カムチャツキーからは、スノーモービルに乗ったり、噴煙をあげるムトノフスキー火山に登ったり、ヘリコプターで間欠泉に行ったり、と一生に一度の旅ができる。カムチャッカは、冒険旅行の本物の理想郷だが、冬に旅行に行くのなら、本当に厚手の手袋をしていこう。スノーモービルの後部席は、マイナス30℃が骨身に凍みるから!

 

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