ウラルの岩塩抗で幻覚体験

Mikhail Mishainik/Uralmines.ru
 エカテリンブルグの採掘済みの岩塩抗は、デザインの点でモスクワのどんな流行りのナイトクラブにも勝る。今すぐインスピレーションが欲しいなら、ファン・ゴッホの絵画かと見紛う波模様の世界をご覧頂こう。

 インターネット上のコメンテーターらは、エカテリンブルグのこれらの岩塩抗を豪華なナイトクラブに譬え、街のレイヴァーたちを(至極文字通り)地下へと誘っていると評している。

 ウラル市(モスクワから990キロメートル東)の地下約200メートルのところにあるこの超現実的な鉱山は、まるでヴィンセント・ファン・ゴッホにデザインされたものかのようだ。あるいは古代文明の壁画と見紛うかもしれない。

  しかし、この万華鏡のような驚異的な眺めは完全に天然のものだ。遥か昔に蒸発した海がペルム紀(2億8000万年前)にこの色彩を生み出し、豊富で色鮮やかな鉱物の層を残した。

 色彩は主に、今日肥料として用いられているカーナライト(カリウムとマグネシウムの水和物から成る鉱物)が乾燥した結果生じたものだ。これによって赤、白、空色、金色の同心円模様や波模様を含め、さまざまな色相や形状が生み出されている。

 写真家のミハイル・ミシャイニクさんは2014年にこの信じ難い鉱山に出会い、ガス漏れや地崩れの危険があるにもかかわらず、数日間昼も夜も鉱山内を探索した。

 ミハイルさんによれば、坑道の迷宮は何キロメートルも続くことがある。空気は非常に乾燥しているという。坑内が塩で満たされているからだ。

 だが、この岩塩抗の芸術的潜在力はなぜ長年見過ごされてきたのだろう。その一因は照明かもしれない。坑内は漆黒の闇で、壁の見事な波の文様が姿を現すのは、強い明かりの下だけだ。

 坑道のいくつかは今でも使用されているが、大半の坑道は採掘済みで立ち入りが可能だ。ただし政府の許可が必須である。つまりは、我々がここでテクノ・パーティーを開けるようになるまでには、残念ながらもう少し待たねばならないということだ。

 ロシア人は数々のエクストリームな探検をしてきたことで有名だ。ルーファーやディガーに岩塩抗の探索を頼んでみよう。塩の採掘は、かつてないほど視覚的に壮観な冒険と言えるかもしれない。

 

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