1.ホテル「ソヴィエツキー」
このホテルの歴史は1940年代終わりにまで遡る。このホテルはヨセフ・スターリンの指示のもと建設された。その後は、スターリンの一番下の息子、ワシーリー・スターリンが生涯ここに住んだ。スターリンの後継者であるニキータ・フルシチョフは、このホテルに外国の代表団を受け入れた。現在、このスターリン一家の歴史的なアパートメントは一日21,600ルーブル(335米ドル)で借りることが出来る。部屋の雰囲気や家具はモダンで快適だ。
2.グム百貨店第57番ストローヴァヤ(食堂)
ソ連時代の礼拝時の食事スタイル、手作りのリーズナブルな食事が楽しめる食堂スタイルは、現在のロシアでも依然人気があるが、このようなソ連時代の「精神」を守ろうと奮闘している人は少ない。赤の広場のグム百貨店にある食堂はその数少ない食堂の一つだ。ソーダ―マシーンや、ソ連時代のポスター、アルミニウム製のフォークや、「ビタミン」サラダ、「モスクワ風」ボルシチなど、全てここで食べることが出来る。
3.レーニン廟
ソ連ファンのための聖なる場所。共産党指導者の埋葬されていない遺体は、首都の中心、赤の広場に眠っている。誰でも見ることが出来るが、もちろん写真はNGだ。
4.イズマイロフスキー・クレムリンの大市場
この、最も大きい蚤の市の一つは、中世のクレムリンを彷彿とさせるイズマイロフスキー・クレムリンのエリア内にある。実際は、歴史的な背景は特にないのだが、ここの中央では本物の手作り品が売られている。ソ連のアパートになら必ずあった、陶器の置物や、砂糖入れ。また、ビンテージカメラや蓄音機。うんざりするが、伝説の白海運河たばこもある。
5.ソビエト・ゲーム博物館
ソ連時代の本物のスロットマシーンが40種類も、そしてその殆どが使える状態で展示されている。遊んでみる価値はあるが、じっくり評価はしないでほしい。結局のところレトロなマシーンなので、機能はそんなに多くない。しかしながら魅力的だし、パックマンで遊ぶことだって出来る。博物館はクズネツキー橋に隠れた場所にあり、ハンバーガーショップを兼ねている。
6.モスクワ地下鉄環状線
モスクワのメトロは地下の美術館だ。殆どの駅がここ50年より前に建設されている。その中でも特に有名なのが環状線だ。ソ連時代の優れた芸術家や彫刻家によりデザインされ、ソビエト連邦の強さと偉大さを表現している。モザイク、アーチ、化粧しっくい、これら全てはスターリン帝国様式にデザインされている。我々がお勧めする、最も美しい環状線駅の紹介はこちらだ。
7.ヴァレニチナヤNo.1
ソ連時代にはそのようなものはなかったのだが、レストラン「ヴァレニチナヤNo.1のオーナーは、すごいビジネス戦略を思いついてしまった。レストランをソビエト風のアパートメントにしよう、と。周りは、カットガラスのグラスや、シャンデリア、ナプキン置き等、面白いもので囲まれている。ここでは20種類ものロシア風水餃子を食べることが出来る。オーディオからはソ連時代の演劇が絶え間なく流れている。
8.モスフィルム
約100年もの間、この映画スタジオはソビエト・ハリウッドだった。2500以上もの映画作品がここで撮影された。その中にはセルゲイ・エイゼンシュテイン監督やアンドレイ・タルコフスキー監督の名作も含まれる。グループツアーに申し込めば見に来ることが出来る。
9.VDNKh
モスフィルムの象徴、ムヒナ作「労働者とコロホーズの女性」像はVDNKhにある。この展示会場コンプレックスは1939年に全ロシア農業博覧会としてオープンした。数十年後、噴水と、VDNKhのパヴィリオンは、スターリン様式「セブンシスターズ」とならび、当時の最重要建築物と考えられていた。近年改築し、施設内には、現代的なマルチメディアセンターから展示会まで、面白いものが沢山展示されている。
10.映画館「イリュージョン」
コテリニチェスカヤ堤防沿いスターリン建築高層ビルの映画館は1966年に誕生した。モスクワの文化生活の重要な中心地となった。今日では、過去の時代の断片を垣間見ることが出来る。
改築を経て、2018年に「イリュージョン」はオープンした。ここは、現代の「アートハウス」映画のみならず、ソ連や海外の古典的な映画、ロシアの国立映画基金が保存していた作品を、大画面で見ることが出来るモスクワで数少ない場所だ。タルコフスキー監督や、「スター・ウォーズ」、またベルトルッチ監督の回顧展をみることも出来る。
11.スハレフスカヤ駅のチェブレク屋「ドルージュバ」
モスクワで最も有名なチェブレク(肉入り揚げパン)屋だ。この店は1960年代から変わらず続いており、小さい店内はいつも混んでいる。メニューは、肉入りチェブレクと、ビール、そしてアルコール度数の強いお酒のみで、価格もリーズナブルだ。
穏やかな言い方をすれば、この店は、観光客にとって雰囲気のよい魅力的な場所を目指してはいない。ここは昔の様に、地元の人々が飲んだり食べたりして、固定客がいるところなのだ。(彼らは夕方に隅っこの席でウォッカを飲むことがある。)しかし、ここに警備員もいる。