ソ連スタイルのレストラン10選

Maria Ionova-Gribina
 ソ連時代、市民は恒常的に、基本的な消費財と食料品の深刻な不足に悩まされていた。でも今、モスクワでは、ソ連の雰囲気を安全に楽しみながら、当時のメニュー――政府高官用から庶民までの――を味わえるレストランがいくつもある。

 今は昔、ソ連で過ごした自分の幼年時代を懐かしむ人は多い。ソ連全般へのノスタルジーも、現代ロシア人の多数が共有するところだ。とくにモスクワでは、ソ連時代の事物、痕跡がまだまだ多くあり、郷愁をかきたてる。そんなソ連の跡のなかから、ロシアNOWは、10のレストランを選んだ。そこでは、あの閉鎖的で神秘的なソ連にタイムスリップした気分になれること請け合いだ。

 

1. グム百貨店第57番ストローヴァヤ(食堂)

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 これは、ソ連市民のお気に入りの食堂のタイプ。セルフサービスで、好きなものを取って、一括してお金を払う。ボルシチ、ペリメニ(シベリア風水餃子)、サラダ「シューバ(毛皮コート)を着たニシン」、ロシア風サラダなどなど、グルメの醍醐味がたくさん。食べてみると、あなたは、ソ連のオフィス、工場、学校の食堂などで食事をしているような気分になるだろう。

アドレス:3 Red Square, level 3, line 3

 

2. チェブレキ屋「ドルージバ(友情)」

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 このファーストフードのカフェは、40年前から営業していて、開店以来、雰囲気もまったく変わらない。高いテーブルが立ち並び、椅子はない。唯一のメニューは、肉(伝統的に羊肉)を詰めてしっかり油で揚げた二つ折りのパイ(ターンオーバー)「チェブレキ」だ。 1つが約40ルーブル(約80円)。 チェブレキは、クリミアタタールやカフカス、トルコの伝統料理だ。そのカフェが「友情」と名付けられているのは、諸民族の友情という、ソ連のモットーを反映している。

アドレス:2 Pankratyevsky Lane

 

3. チェブレチナヤUSSR

マリア・イオノワ=グリビナマリア・イオノワ=グリビナ

 これもチェブレキを出すカフェだが、それだけではない。これはいわば、ソ連スタイルのより現代的な解釈であり、サラダ、ペリメニ、スープなど、我々の父母や祖父母が食べたものがここにある。メニューには、いくつかの種類のウォッカ、その他の酒類、自家醸造酒も。どれもお持ち帰り可能だ。「ドルージバ(友情)」カフエは、元祖スタンダードだが、こちらでは、あらゆるソ連スタイル、グッズを見ることができる。白いタイル、メニューのスタイルと字体、面白いソ連のポスターなど。
このチェーンには4つのレストランがある。

アドレス:

・4 Bolshaya Bronnaya St.,

・15/22 Volokolamskoye Highway,

・21/28 Sretenka St.,

・75 b 1B Leningransky Prospekt.

 

4. ヴァレニチナヤNo 1

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 古本、レトロ写真、その他の快適なディテールが、いかにもソ連風の雰囲気を醸し出す。メニューは、他のこの手のレストランと同じく、ボルシチ、ブリヌイ(ロシア風パンケーキ)、ロシア風サラダなどがあるが、水餃子「ヴァレニキ」に重点を置いている。その詰め物は、数十種類のなかから自分が好きなものを選べる。このチェーンには14のカフェがあるから、都心を歩いていると、たぶん行き当たるだろう。宅配も可能だ。

 

5. レストラン「グラヴピヴトルグ」

マリア・イオノワ=グリビナマリア・イオノワ=グリビナ

 ここに来るとあなたは、共産党の幹部か高級官僚のような気分になれるだろう。チェブレキを出すようなカフェより、料理のグレードは高い。しかも、このレストランは旧ソ連交通省の建物にある。名前のGlavpivtorgは、ビール(ロシア語はピーヴォ)が販売されている場所を指す。だから、ここではもちろんビールを飲めるし、キャビア付きのロシア風サラダもある。値段は安くないが、そのかわり、重厚なインテリアと伝説的な緑色のランプシェードとあいまって、忘れ難いグルメ体験になるだろう。 2つのフロアがあり、1つはよりプライベートで、昔風の書斎か大臣の執務室を思わせる。

アドレス:5 Bolshaya Lubyanka St.

 

6. ジグリ・バー

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 この場所はいわばソ連のすべて。懐の暖かい人にも、寒めの人にもエンターテイメントを提供する。庶民向けの低価格の食堂とレストランとがあり、後者は、ライブミュージックと絶妙なメニューと“立派な”価格をもつ。ジグリといえば、ソ連のビールと車の名前だ。このジグリ・バーは、プーチン(現大統領)とメドべージェフ(現首相)がここでビールを飲んだことでも有名。

アドレス:11b1 Novy Arbat St.

 

7. ウズベキスタン

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 すでに述べたように、諸民族の友情がソ連のモットーだったわけだが、その「友人」の1人がウズベキスタン(現在は独立国家)だった。今日、人々は郷愁にかられて、このレストランにやって来て、伝統的なお茶を飲み、ピラフを食べ、金色に輝く、ウズベキスタンの首都タシケントの景観に見とれる。メニューには、ウズベク料理だけでなく、アジア料理が幅広く含まれている。

アドレス:29b5 Neglinnaya St.

 

8. コーカサスの虜

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 今でもロシア人はソ連映画が好きで、そのセリフ、名文句を引用する。南国情緒あふれる映画も数多あるが、なかでも抜群の人気を誇るのが、「コーカサスの虜」(レオニード・ガイダイ監督)だ。レストランはこの映画のモチーフで作られている。そのインテリアのおかげで、グルジア(ジョージア)にいるような気がしてくる。メニューは豊富で、カフカス、ロシア、ヨーロッパの料理からなる。ちなみにこのレストランは、ロシアのレストラン王、アルカジー・ノヴィコフ氏が所有するグループに属する。 

アドレス:36 Prospekt Mira

 

9. 「雪解け」

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 この窓が大きく快適なレストランは新しいもので、そのインテリアも、構成主義のランプと他の若干のディテールが、わずかにソ連を想起させるにすぎない。しかし、それはまさしくソ連の“ハート”、VDNKh公園(国民経済達成博覧会)にある。スターリン様式で建てられた、ソ連経済の成果を誇示するパビリオンで、様々な展示物を見物していると、感情が刺激されるのは確かだ。

アドレス:119b311 Prospekt Mira

もっと読む:「雪解け」が民主主義の始まり>>

 

10. モスコフスコエ・ネーボ(Moscow sky

マリア・イオノワ=グリビナ
マリア・イオノワ=グリビナ
 
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 このカフェもVDNKh公園にあるが、こちらは、ソ連の空における成果にアクセントを置き、室内にはパイロットや飛行機を描いた絵が飾られている。ノスタルジックなソ連の音楽を聴きながら、テラスで夏の日差しを楽しむことができる。メニューには伝統的なロシア料理とソ連料理がある。

アドレス:119с422 Prospekt Mira

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