外国人がモスクワで探すヘンなもの7つ

マクシム・ブリノフ撮影/Sputnik; Quentin Tarantino/Miramax Films, 1994
 ロシア人が喧嘩しているバーはどこですか?カラシニコフ銃を撃つことができる場所を教えてください。緑色の霧を見つけたいのですが・・・など。外国人が投げかけるちょっと変わった質問について、ロシアのガイドたちに話を聞いた。

 クレムリン、赤の広場、レーニン廟など、有名な観光名所を一目見ようと、毎年、数百万人の観光客がモスクワを訪れる。しかし中には一種独特なものを探しにやってくる観光客もいるのである。

1.フルシチョフカを見る

 ソ連時代の遺産に興味を持つ観光客は多い。そして彼らはモスクワの中心部や周辺地区を見ようとモスクワにやってくる。「2009年、雑誌GentleWomanの編集長ペニー・マーティンがモスクワにやってきました」と話すのはモスクワの元ガイド、マリヤ・シニツィナさん。「彼女は大学で建築を学んだときに耳にしたソ連アヴァンギャルドの建築物をめぐるツアーを組んで欲しいと依頼してきました。また中心部からかなり離れた地区を周りたいとも言い、わたしたちはショールコフスカヤやペローヴォなどを訪れたのですが、ちょうどソ連時代の建物の中にあるデザイン工房を訪ねた際に彼女が炒めジャガイモとソーセージを食べたのを覚えています。しかしジャガイモとソーセージを食べていても、洗練された才女であるペニーはデリケートで優しいイングリッシュローズのようでした」。

2.カラシニコフ銃を撃つ

 ガイドらの話によれば、観光客からの質問には軍や兵器に関するものが多いという。観光客らが関心を持っているのは兵士らが着ているボーダーのシャツなどが買えるミリタリーショップ。通訳ガイドのダーシャさんは「外国人の中にはカラシニコフ銃を撃たせてもらえる場所はどこにあるかと訊いてくる人もいます」と打ち明けている。

3.大統領執務室に入る

 旅行社Walk&Talk Toursの設立者及びガイドであるカテリーナさんは、概して観光客はあまり質問をしてこないが、質問の内容に驚かされることがあると指摘する。「たとえば、どうすれば大統領執務室のエクスカーションに行けるかというものなどです」。

 カテリーナさんによれば、大統領執務室以外では、観光客(とりわけアジアの女性)はロシアの化粧品や会員証なしに通えるフィットネスクラブに関心があるという。カテリーナさん曰く、中でも好奇心が強いのはインド、イタリア、イギリス、アメリカの観光客なのだそうだ。

4.ドクトル・ソーセージを食べる

 ロシア料理はんなエクスカーションにも必ず含まれている。カテリーナさんは、「ツアーではピロシキとスビテン(冬に飲まれる伝統的な飲み物)を出しますが、皆に喜ばれています。特に、スビテンには誰もが驚かされるようです」と話す。しかしもっと違うものを食べてみたいという観光客もいるのだそうだ。

 モスクワのガイド、ダリヤ・ブルガーコワさんは、外国人観光客の中には、1930年代に「自由気ままなロシア帝政の犠牲となった人々のために」作られたドクトル・ソーセージをどこで買えるかと訊いてくる人が少なくないと言う。

5.ロシア人男性たちの喧嘩を見る

 ダリヤさんは「概して観光客はおいしいレストランやお土産屋の場所を訊いてくることが多いのですが、ロシア人男性がウォトカを飲んで喧嘩している典型的なロシアのバーはどこにありますか」と訊かれたことがありますと話す。

 もちろん、ウォトカに関心を持つ人は多い。ツアーをオーガナイズするアンナ・ブルガーコワさんによれば、よくある質問は、11時以降にウォトカを買えるのはどこかというもの(モスクワでは夜間にアルコール飲料は買えないため)や赤の広場に喫煙コーナーはあるかというもの、あるいはロシア人の女の子との付き合い方に関するものなどだそうだ。

 6.皇帝の執務室のような壁紙を手に入れる

 人々がエクスカーションに参加する目的は歴史を知るためだけではない。コローメンスコエの野外文化財博物館で働いているヤン・コンドゥルセヴィチさんは、非常に実際的な質問をする観光客に出会うことがあるという。「皇帝の執務室の壁には天然の革でできた壁紙が貼られているのですが、ツアー客の中には値段を訊いたり、豪邸のようにするのにその壁紙をどこで買えばいいのか訊いてくる人がいます」と回想する。

7.緑色の霧を探し出す

 コローメンスコエ公園を訪れる人々の中には、不思議な力を持つパワーストーンについて尋ねる人がいると言う。たとえば子宝に恵まれる石や男性の精力を増強してくれる石などである。またツアーガイドのゲオルギー・マナエフさんは「緑色の霧」に関する伝説について話してくれた。「その霧は、入ると、数年後にしか出られないと言われているらしく、どこにあるのかと訊いてくる人がいるのですが、もちろんそれはおとぎ話です」(実際どうなのかは定かではない)。

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