1. LeapRus――エルブルス山のカプセルホテル
標高3912㍍の地点で快適に宿泊できるなんて――まさに宇宙飛行士になった気分。もっとも、予約は事前にしておこう。ホテルは、ロシアの最高峰エルブルス山の南の斜面にある。いちばん近い居住区テルスコルは、ミネラリニエ・ヴォードィ空港から車で3時間。リフトからカプセルまでゲストを運んでくれるのは、かなり変わった輸送手段――「山のトラクター」と呼ばれる雪上車だ。
ここで、山好きや絶景好きたちを待っているのは、シングルベッドと、12人収容の大きなカプセルルーム2部屋、それに、バイキング形式での3度の食事だ。ブッキングコムでの評価は9.0点だ。
2. カザンのホテル「スタジアム」
スタジアムで夜を過ごす――サッカーファン全員の夢だ。今はこの夢をロシアで叶えられる。カザン・アリーナにある12のVIP向けボックス席は、ホテルの客室用にも造られており、2人用と4人用がある。
もっとも、サッカーの試合日には、客室はボックス席に戻り、平均8万ルーブルで予約できる。
3. ロストフ・ヴェリーキーのホテル「穴蔵ハウス」
クレムリン(城塞)に宿泊したことがあるだろうか?「パコイ」と呼ばれる古いロシアスタイルの部屋は、ロストフ・クレムリンの博物館敷地内の17世紀の建物の中にある。1階は石造りで、2階は木造だ。木造の家で暮らすほうが健康にいいと考えられていた。18世紀に、ここの2階に住んでいたのは、ロシア正教会のロストフ府主教だったが、ソヴィエト時代には、この建物は観光センターとして利用されていた。
ちなみに、トリップアドバイザーによれば、このホテルはロシアのロマンティックなホテル、ベスト10に入っている。部屋数は少ないが、需要はかなり多い――だから早く予約しなきゃ。
4.「ボロトフ」、トゥーラ州のダーチャ
ロシアのダーチャがどんなものなのか知りたいといつも思われてきた。だったら、ドヴォリャヌノヴォの古い田舎屋敷の近くにあるこちらのホテルへどうぞ。ボロトフのスローガンは、「僻地、安らぎ、文化」だ。ここにあるのは、新鮮な空気、共同食堂での食事、都市のあわただしさから遠く離れた生活だ。
滞在は、大きなダーチャやホステル、あるいは北欧風のコテージの部屋を選ぶことができる。
――予約はオンラインのみで可。 (hello@bolotov.lifeでも可)
価格は、一泊2600ルーブル(40㌦)から。週末の予約やコテージは最低2泊からで予約可。
5. コストロマの公園ホテル「ベレンデーフカ」
ここでは自分がロシアのおとぎ話の主人公になった気分を味わえ、古い楼閣に泊まることもできる。ゲストの評判でとくに目立つのは、木の香りだ。ちなみに、コストロマ市街やおもな観光名所までは車でわずか10分。
すぐ隣にあるのは「ベレンデイ(おとぎ話の中の神話的な王様)の家」で、ロシアの太古の時代の伝統や儀式について、さらには、この近隣の森に棲む伝説の生き物たちのことを物語ってくれる。
一泊 2200ルーブル(33㌦)から、長期滞在の場合は割引価格もある。
6. イヴァノヴォ州のヴォルガ・ヴォルガ
ここでは、ヴォルガ川を眺めながら朝のお茶を楽しみ、川をクルーズ船が通り過ぎるのを見ることもできる。ホテルがある川の瀞は、ヴォルガ沿岸でもっとも風光明媚な小都市のひとつとみなされている。ここでは、アンドレイ・タルコフスキー映画祭も開催されていている。タルコフスキーは、ここから近いヴォルガ河岸で生まれた。
ここは、伝統的なロシアスタイルのホテルでもある。ちなみに、トリップアドバイザーでは、ミニホテル、トップ25に入っている。
7. パーヴロフスク(サンクトペテルブルク)のホテル「パーヴェル皇帝の陵堡」
皇帝パーヴェル1世は、精神的に不安定なことと迫害マニアだったことで有名だ。ペテルブルク中心部には、彼の命で濠をめぐらしたミハイロフスキー城が建設された。現在その場所には博物館がある。パーヴェルのもうひとつの陵堡は、1795~1797年に建てられたもので、現在、22室を有するホテルがある。どの建物も古代の城の様式になっている。
ちなみに、48万ルーブルで個人イベント用に城を丸ごと貸し切りにできる。
8. ヴォログダのブティックホテル「図書館」
読書好きは、文字通り、本に浸ることができる。客室は、有名な10作品の様式で作られていて――『シャーロック・ホームズ』も『エヴゲニー・オネーギン』も『千一夜物語』もある。
建物は――古い時代の木造の戸建てで、中には、レストランバー、本売り場、サウナがある。
9. カリーニングラードのホテル「船長」
カント島とケーニスベルク大聖堂の近くに、漁村と、ドイツ式で作られたホテル「船長」がある。インテリアは古い時代の田舎屋敷を思わせ、ホールにはアンティックなソファーや置物、絵画がある。周囲にはシーフードレストランがある。
10. モスクワのホテル「ソヴィエツキー」
ここに来ると、スターリン時代にトリップし、党の特権階級の代表になった気分になれる。ちなみに、一泊2万1千ルーブル払うと、スターリンの息子ワシリーが愛した豪華なアパートメントタイプの301号室に宿泊できる。
夕食は、建物内にあるレストラン「ヤール(断崖の意)」が絶対におススメ。かつてここで、サーヴァ・モロゾフやフョードル・シャリャーピン、アントン・チェーホフ、マクシム・ゴーリキーが豪華な食事をしたのだ。「さあ、馬車をヤールにやれ」という人気のロマンスもある。