バイカル湖=
イリヤ・ピタレフ/ロシア通信シベリアのブリヤート共和国の行政府は、バイカル湖の湖岸にマンモスの頭蓋骨の形をしたホテルを建設することを決定した。「タス通信」がこれを伝えている。
「民族史の要素を取り込んだ、巨大で珍しい建物になる。1本の牙の高さは100メートル、頭の部分に部屋と会議室が入る」と、アレクセイ・ツィデノフ暫定首長はタス通信に話した。
Iconic mammoth hotel planned for Lake Baikal with soaring-100 metre high tusks https://t.co/Rm9cVEZYgKpic.twitter.com/pTAFuYwVM2
— The Siberian Times (@siberian_times) 2017年5月25日
建設案は現在、模型段階に入っており、最近、モスクワで紹介された。ホテルが将来的に地元の目玉になり、観光需要が高まればと、ツィデノフ暫定首長は期待する。
マンモス・ホテルを設計したのは、ブリヤート共和国の彫刻家ダシ・ナムダコフ氏。これまでにも自身の作品にマンモスのイメージを取り入れてきた。ナムダコフ氏が自身の案を最初に発表したのは2012年。当時は美術館および芸術工房の複合施設になる予定だった。中心的な建物を、バイカル湖の砂の中から波に洗われて出現した大きなマンモスの頭蓋骨の形にすることを提案した。
ロシアNOWが取材を行ったホテル市場の関係者は、この建設案に明るい見通しを示さない。
「100メートルの牙にも会議室が入るようだが、実現不可能だ。階段、エレベーター、その他の必要な付属施設を含めなければいけない100平方メートルの会議室は狭い」と、ホテル運営会社「コスモス・グループ」のスタニスラフ・イワシケヴィチ開発本部長は話す。
イワシケヴィチ開発本部長によれば、同規模の標準的なホテルを建設するだけでも1億2000万ドル(約133億9000万円)かかるのに、このようなエキゾチックな形のホテルになると、さらに高額になるという。「このような計画の回収期間は、どんなビジネスマンをも当惑させる。バイカル湖のはっきりとした観光シーズンを考えたら、期間は50~60年に達する可能性がある。このような条件の類似案を受け入れるような投資家の知り合いは、自分にはいない」とイワシケヴィチ開発本部長。
ホテル運営会社「ロスインベストオテリ」のキリル・イルチュガ最高責任者はこう話す。「バイカル湖に来る観光客にとって重要なのは、地元の建築、民俗学、民族学の要素だけでなく、質の高いサービス。マンモス・ホテル一つで問題を解決することはできない」。地元の観光目的地や施設の到着場所の選定から、質の高い滞在、食事、安全まで、観光領域の総合的な開発が必要だという。
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