ロシアは閉ざされた扉の国である。設計上想定された5つの扉のうち1つしか開いていないということがざらにある。運が良ければ、閉じた扉に矢印があって、開いている唯一の扉へ案内してくれる。あるいは黄色い円が貼ってある。こうした円は、障碍者にも分かりやすいよう開いている扉に貼り付けることが法律で定められている。
この状況が該当するのは、ショッピングセンターや劇場、美術館、博物館、地下鉄、国内にあるその他さまざまな扉で、随分前からすでに、実用レベルから文化レベルへと移行してしまっている。したがって覚えておくべきは、扉がたくさんあっても、入り口がどこか近くにあるとは限らないということだ。扉の一つへと突き進む前に、落ち着いて歩みを緩めよう。
中近東の伝統料理がロシアでは思わぬ変化を遂げることがある。ここでは肉が何だか奇妙に切られていたり、時には全く予想もつかない具材が加えられて売られていたりする。モスクワのドネルケバブは、具に市販のマヨネーズをたっぷりかけたものが特に好まれる。
それから、概してストリートフードには気をつけたほうが良い。チェーン店を選ぼう。地元住民でさえ、点検を受けた店しか信用しない。
ホテルの窓から見える風景を信じてはいけない。外でTシャツ姿の人々が歩いていても暖かいとは限らない。何せここはロシアだ。メリヤスのスポーツウェアを着た男性と毛皮のジャケットを着た女性が一緒に散歩していて、その時の温度計の表示が+15℃ということもあるのだ。住民はその時の気分で服装を決める。ここの人々は冬の間ずっと夏服が恋しくて、春を感じさせる太陽が出れば、それはもう多くの人にとって半ズボンを履く口実となる。
ロシアの空港で売られているものは、少なくとも通常の倍の値段がする。例えば、ペットボトルの水は、空港やアエロエクスプレス(モスクワの空港と街の中心とを結ぶ列車)では、一般的な60ルーブル(100円)の代わりに150〜200ルーブル(270〜360円)を請求される。
ウォッカについては逆のことが言える。小さな店の安いウォッカは偽造品の危険性が高い。そうしたウォッカは(そして他のどんな安い酒も)、旅行をすべて台無しにしかねない。品質の保証されたウォッカの値段は500ミリリットル当たり300ルーブル(540円)以上が相場だ。
ところでロシアの空港の免税店ではウォッカが高い。空港のウォッカの値段は税込み価格ほどまで引き上げられているため、免税の恩恵が全く受けられない。
アルバート通は観光客に人気の通りの一つだ。そしてここにも一つの大きな「罠」がある。まずお土産だ。法外な値段のついたマトリョーシカや耳当て付き防寒帽、スカーフ、木製の食器は、アルバート通から切り離すことのできない特徴だ。お土産は他の場所で買ったほうが質も良いし、安い。
アルバート通のレストランの価格設定も同様で、「観光客には最も高いものを」という原理に基づいている。信用できるのはせいぜいスターバックスやマクドナルドくらいで、これらの店はどこでも変わらない。本格的なロシア郷土料理や極めて興味深い食事企画もまた、有名な歩行者専用通りで探さないほうが良い。
このことはサンクトペテルブルクのネフスキー大通にもそのまま当てはまる。この通りで絵を買ってはならない。マトリョーシカも他の場所で探すに越したことはない…… 5~50ドルの余分な出費を避けたければ。
モスクワのメトロは、世界の理解からすれば最も便利で簡単な地下鉄の一つだ。しかしモスクワ・メトロさえも完全無欠ではない。双子駅があったり、2つのプラットホームがあったり、複雑な駅名、そして観光客には語られないさまざまな「秘密」がある。例えば、アエロポルト(「空港」)駅に空港はなく、またアルバーツカヤ駅やスモレンスカヤ駅、ベロルースカヤ駅、クルスカヤ駅などの駅は2つずつある。モスクワ・メトロの「秘密」をすべて知りたい方はこちらをどうぞ。
気が利く男性
ロシアの男性は礼儀正しく、そこに邪心は一切ない。重たい鞄を持つ女性を見かけたら、多くの男性が助けを申し出て、見返りは一切求めない。彼らは微笑みもせず、事務的に、その女性の鞄を階段の上か下まで運ぶ。そして人混みの中へ消えていく。
無料のインターネット
メトロやカフェのインターネットは実際無料だ。ただし、レストランやカフェではいずれにせよ何か注文する必要がある。注文さえすれば、後は好きなだけインターネットを利用できる。
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