パレードだけじゃない:「両首都」でいつでも兵器が見られる場所

Legion Media
 ロシア人はその歴史を通じて実に多くの武器をつくってきた。サッカー場がいくつあっても収まりきらないほどだ。これらのミュージアムを歩くには、忍耐と体力が要るだろう。実際、ずいぶん歩かなければならない…。

モスクワ

「戦勝記念公園」内の展示および「大祖国戦争中央博物館」

 公園の敷地は、大祖国戦争(独ソ戦)を記念する巨大な展示場となっており、ソ連および連合国、ナチスドイツおよび枢軸国の300点以上の大型兵器が置かれている。第二次世界大戦中に最も大量生産された戦車「T-34」、航空機、大砲、砲弾、対空砲、墜落したドイツ機の残骸。こういったものすべてが、「ポクロンナヤの丘」に点在している。展示を一通りまわるためには、少なくとも8㎞は歩かなければならない。自転車やキックスケーターを持っていったほうがいいかもしれない。

 ところで敷地内には、「大祖国戦争中央博物館」もあり、ここには、6つのジオラマ(スターリングラード攻防戦やベルリン陥落など)とユニークなホールがある。その一つは、赤と黒の大理石からなる「追悼のホール」で、照明は薄暗く、小さな音量でモーツァルトの「レクイエム」が流れている。

アクセス:地下鉄駅「パルク・ポベードィ(戦勝記念公園)」から表示に沿って進むこと。公園の入り口にチケット売り場と、敷地内の航空機の位置を示す図がある。

 

クビンカ戦車博物館

 これは世界最大の戦車博物館だ。敷地は12ヘクタールで、コレクションには米英、日本を含む14カ国の350両以上の戦車・装甲車両が含まれている。1944年に、主に戦利品として集められ始めた。今これらはすべて巨大なパビリオン・ハンガーに保存されている。ソ連が設計した最初の戦車MS-1T-18)から現代のT-80まで、ロシア製戦車の開発史のすべてを視覚的に見渡すことができる。

アクセス:モスクワから約1時間かかる。ベラルーシ駅で電車に乗り、「クビンカ」駅で下車。そこからは、59番の路線タクシー(マルシルートカ)に乗り、停留所「戦車博物館」で降りるか、タクシーに乗るのが簡単。休日および祭日は、博物館行きの無料のシャトルバスが運行されている。クビンカ駅から1時間に1本出ている。

 

モニノ空軍博物館

 モスクワ州にはモニノ空軍博物館もある。モニノ村の航空師団があった場所に設立された。ここには航空機だけが集められているが(軍用機も民間航空機も)、およそロシア航空史上に残るものはすべて、1909年にさかのぼって収集されている。ソ連の巨大な航空機から小型ヘリコプターまで、ありとあらゆるものがある。比較的最近、ソ連版スペースシャトル「ブラン」の8分の1の大きさの試作機「BOR-5」も加わった。大気圏突入の際に機体が焼け焦げた跡が残っている。展示物は野外および2つのハンガーと6つのホールに置かれている。

アクセス:電車でヤロスラヴリ駅からモニノ駅まで行くか、地下鉄駅「ショールコフスカヤ」そばのバスターミナルで363番バスに乗り、終点まで行く。所要時間は1時間20分。

 

トゥーシノ海軍史博物館

 博物館は、全長90mのディーゼル・エレクトリック方式の潜水艦にあり、モスクワの公園「北トゥーシノ」の中に位置する。主な展示物はこの潜水艦「B-396」だ。船室、司令塔を見学し、潜水艦乗組員の生活をのぞいたり(例えば、シャワー室を見学するとか)、魚雷や機雷の一部がある魚雷室に入ることができる。さらに博物館には、3Dイメージでエクラノプラン(地面効果翼機)の操縦をシミュレートする仮想操縦室もある。

アクセス:地下鉄駅「スホードネンスカヤ」から15分。

 

モスクワ中央軍事博物館

 ソビエト軍通りに所在する。24ものホールがあり、展示品は武器だけで15千点(そのほかに、衣類、バナー、写真などもある)。ホールは、時代ごとに分かれている。帝政時代のロシア軍、第一次世界大戦、1917年のロシア革命、赤軍の時代、ペレストロイカという具合だ。野外に大砲、ミサイル、航空機も展示されている。

アクセス:地下鉄駅「ドストエフスカヤ」から5分。

 

1812年祖国戦争博物館&歴史博物館

 モスクワで最も有名な軍事史複合施設の一つで、ロシア帝国軍とナポレオン軍の珍しい武器、ルーシ(現代ロシアの源流をなす中世国家)時代の甲冑、コサックのサーベル、アレクサンドル2世の佩剣、その他多くを見ることができる。

アクセス:地下鉄駅の「テアトラリナヤ(劇場)」、「オホートヌイ・リャード」、「革命広場」からすぐ。

 

サンクトペテルブルク

サンクトペテルブルク軍事博物館

 サンクトペテルブルク軍事博物館は、ピョートル大帝の命令で、古い大砲を保存するために1703年に設立。現在の場所、つまりペトロパヴロフスク要塞に移ったのは、1869年だ。現在、コレクションは85万点におよび、世界最大規模の軍事博物館の一つとなっている。

 大祖国戦争(独ソ戦)の時期は、建物の2階で戦車が修理されていた。傾斜路にギザギザの跡がついているのがその名残だ。古代スラヴの刀剣、中世の銃砲から、世界初の自走式多連装ロケット砲「カチューシャ」、現代の長距離ミサイルにいたるまで、多種多様なコレクションがあるほか、カラシニコフのアサルトライフルの専用ホールもある。射的場で試射することもできる。

アクセス:地下鉄駅「ゴーリコフスカヤ」から10分。

 

サンクトペテルブルク中央海軍博物館

 ロシア帝国の海軍工廠には、軍艦の建造に関わるあらゆるものがそろっている。とにかく軍艦の模型の種類と数に関しては世界最大規模で、イギリスのグリニッジの国立海事博物館に比肩する。模型の中には、実現されずに終わった巨艦も含まれている。また、軍艦以外にも、中世ロシアの大砲を含む、銃砲、刀剣の一連のコレクションがある。

アクセス:最寄りの地下鉄駅は、「アドミラルテイスカヤ」、「サドーヴァヤ」、「スパスカヤ」、「センナヤ広場」。

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