ロシアが北極圏に配備する兵器10選

 ロシアは本腰を入れて北極地方での国益を守ろうとしている。ロシア軍は特殊部隊を訓練し、基地を建設し、定期的に演習を行い、北部の過酷な条件に耐えるよう装備を最新のものに更新している。

Tor-M2DT

 Tor-M2DTはTor-M2短距離地対空ミサイル(SAM)システムの北極版だ。これは全地形対応車DT-30“ヴィチャジ”の無限軌道式シャーシをベースにしている。このシステムは12キロメートル離れた4つの飛翔目標に向けて同時に16発のミサイルを発射できる。

 

パンツィリSA

 短距離・中距離SAMシステムのパンツィリS1の北極版であるパンツィリSAはDT-30の無限軌道式シャーシをベースにしているが、主要モデルに搭載されている2A38M機関砲は外されている。その代わりミサイル砲の数は12門から18門に増やされている。このシステムは20キロメートル離れた4つの目標に向けて同時にミサイルを発射できる。

 

BTR-82A

 最新式の北極版BTR-82A装甲兵員輸送車(APC)は気温摂氏マイナス60度でも活動可能だ。装輪式のAPCは、湿地帯も、海岸も、そして60センチメートルの積雪も克服する。乗員3名、歩兵7名が乗車できる。

 

DT-10PMとDT-30PM全地形対応車

 これらの2ユニットから成る無限軌道式全地形対応車(ATV)はロシア軍の北極圏部隊の真の働き馬だ。北極圏での貨物と乗員の輸送の役目を果たしている。DT-10PMとDT-30PMはいかなる地形的障害も克服することができる。加えて、両車両のシャーシは北極版SAMシステムのTor-M2DTとパンツィリSAに応用された。

 

Mi-8AMTSh-VA

 Mi-8AMTSh-Vヘリコプターの改良版は、極寒(摂氏マイナス40度)と視界不良の条件下で活動できるよう設計されている。これはロシア北極部隊の輸送ヘリとして活用され、上空援護や北極海での救助作戦を行うことになるだろう。

 

TREKOL全地形対応車 

 2017年、何台かの6x6 TREKOL-39294 ATVが北極試験に合格した。国防省はこれらを偵察や縦隊の護衛に用いる方針だ。現行モデルもすでに極寒で活動可能だが、北極版の特別モデルの製造が計画されている。

 

トロス火力支援車

 トロス火力支援車には2A42機関砲、7.62ミリPKTM機関銃、AG-17ロケットランチャーが実装されている。歩兵部隊を輸送したり、縦隊のためにブルドーザー・ブレードで進路上の兵器を除去したりできる。

 

T-80BV 

 国防省は北極部隊の主力戦車として、完全に最新化されたT-80BVを使う予定だ。この戦車には新型のソスナU照準システムと反応装甲が装備される。

 

AS-1とTTM1901-40スノーモービル 

 これらの車両は敵陣の背後での偵察・哨戒任務、小型移動設備車作戦用に設計された。新型のTTM1901-40はロシアで初の密閉式コックピットのスノーモービルだ。

 

MT-LBV装甲車 

 MT-LBV水陸両用装甲車は北極圏内で活用するために設計された。Kord 12.7ミリ重機関銃で武装したこの装甲車は火力支援車にもなる。牽引車や軍用トラックとしても使用可能だ。

 

*ロシア軍の兵士らはどうやって極北の寒さをしのいでいるのだろう。こちらの記事もどうぞ。

もっと読む:

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる