ジオタグ:チュクチ自治管区 世界の果ての厳酷な氷の大地

観光・自然
ロシア・ビヨンド
 この極北の地域には春と夏はほとんどない。しかしスノーモービルや氷穴釣り、犬ぞりなら存分に楽しめる場所である。

風景

 ロシア人は16世紀にシベリアを発見、征服し、17世紀前半には太平洋に到達した。そして彼らは1648年、チュコトカ半島を発見した。探検家のセミョーン・デジネフが「氷の海」(現在の北極海)で貿易の機会を探っているときに偶然見つけたのである。船7隻のうちの3隻を破壊した嵐によって、デジネフはチュコトカの海岸へ流れ着いたのである。

 今、チュクチ自治管区最大の都市アナドゥイルではロシアの大部分では見られない赤や黄色、緑や青のカラフルな家が目立つ。なぜ彼らはこのような鮮やかな色で家を塗るのだろうか。それは吹雪の中で簡単に家を見つけるためである。

民族

 チュコトカ半島の先住民はチュクチと呼ばれる。シベリアの民族の中で、唯一、ロシア帝国とエスキモーに征服されなかった人々だ。探検家たちはエスキモーのことを「牙で飾った人々」と呼んでいた。彼らはセイウチの牙を身につけていたのである。

 チュクチとエスキモーは厳しいコンディションの生活にも適応し、その生活スタイルは何年経ってもあまり変わらない。彼らはヤランガと呼ばれるトナカイの皮でつくる独自の移動式住居に暮らし、トナカイの飼育と釣り、海の狩猟を主要な仕事としている。

詳細

 犬ぞりはチュコトカのツンドラにおいてもっとも一般的な移動手段である。そしてこれは単にツーリストを惹きつけるものではなく、実際に地元の遊牧民が使っているものだ。ホッキョクグマとセイウチ、自然の美に覆われた大地は他のどこでも見ることのできないものである。ベーリング海の海岸線に沿ってボートに乗れば、生涯、忘れられない体験になるだろう。