モスクワ中世のオアシスをめぐる

Krutitskoe podvorye

Krutitskoe podvorye

Elena Larionova
開発進む前にクルティツィ主教宿舎を見学

エレーナ・ラリオノワ撮影エレーナ・ラリオノワ撮影 

 クルティツィ主教宿舎に行くと、別の時代にタイムスリップしたような気分になる。ここはモスクワ川のほとりにたたずむ古き一画。歴史文書では1350年に初めて登場する。13世紀、モスクワ公のダニール・アレクサンドロヴィチがここに教会を開設。男子修道院を1272年に建設した。

エレーナ・ラリオノワ撮影エレーナ・ラリオノワ撮影

 17世紀、この場所はサルスキー・ポドンスキー主教の邸宅にまで発展し、1664~1676年に繁栄期を迎えた。クルティツィ主教宿舎は、コロムナとリャザンにつながる、モスクワにとって非常に重要な道にあった。

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 かつて、ここは人々が行き交うにぎやかな通りであった。教会が活動し、荷車が走り、府主教がクルティツィの上階の窓から広場に集まった民衆を祝福し、貧しい人々に施しを与え、街の風景を眺めて楽しんでいた。

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 クルティツィ主教宿舎は何度か歴史的な乱流に巻き込まれた。動乱時代の1612年のポーランド人の侵攻、1812年のナポレオンとの戦争中のモスクワ大火など。中世の混乱とソ連時代の荒廃を経たが、建築群の80%を残し、現在はモスクワ総主教の宿舎になっている。

エレーナ・ラリオノワ撮影エレーナ・ラリオノワ撮影

 幸いなことに、クルティツィ主教宿舎は昔の趣を失っておらず、玉石畳の通り、装飾窓枠のある木の家、17世紀のレンガ造りの豪壮な建物と教会、通り抜けられる要塞の壁・ギャラリーなど、ロシア革命前のモスクワを愛する人にとってのすべてがある。

エレーナ・ラリオノワ撮影エレーナ・ラリオノワ撮影

 クルティツィ主教宿舎は、主要な観光ルートから外れており、同時に市内中心部に比較的近い。ここにはバスも行列もない。ここで会うのは個人旅行者、写真家、歴史映画のカメラクルーだけだ。

エレーナ・ラリオノワ撮影エレーナ・ラリオノワ撮影

 ここには現役の生神女就寝大聖堂教会と復活教会があり、礼拝も行われている。内部に入ることも可能。

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 クルティツィ主教宿舎は1950~1984年、建築家・修復士のピョートル・バラノフスキーの指導のもと、復元された。バラノフスキーは人生の半分をこの仕事にささげ、75歳、80歳、85歳の誕生日をここで祝った。

エレーナ・ラリオノワ撮影エレーナ・ラリオノワ撮影

 近隣には、モスクワ音楽堂、5つ星ホテル「ホリデーイン」、その他さまざま巨大建築物がある。最新式の建物やロシアの富豪の大邸宅に飲み込まれてしまわないうちに、真の中世のモスクワを散歩しよう。

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