木造教会を消失前に見る理由7つ

 イギリス人のウィリアム・クレメント・スミスさんは木骨造の専門家で、木造教会に夢中だ。ロシア連邦カレリア共和国のオネガ湖に浮かぶキジ島(モスクワの北764キロ)の木造教会の写真を、「モーティス&テノン」誌で初めて見て感動し、貯金して、家族とともに自身の60歳の誕生日を祝うために夢の地に向かった。

 スミスさんは教会の軽やかさの秘密を探るべく、キジ島、カレリアの情緒漂うキネルマ村、白海運河、ケミ市(モスクワの北1105キロ)を訪れた。なぜこのロシア北部の小さな島に、教会を見ようと年間18万人以上もの人が訪れるのか。なぜこれらの教会が必見なのか。ロシアNOWが特集する。

1.           キジ島の木造教会は、世界の8番目の不思議と考えられており、またユネスコ世界遺産にも登録されている。

2.           言い伝えによると、キジ島の18~19世紀に建設された2つの教会と鐘楼からなる建築群は、大工のネストルによって、1本の斧だけで、釘を一切使わずに造られた。ネストルは1714年に建設を終え、他の人に自分の建築物の傑作を真似されないようにと、斧をオネガ湖に捨てた。厳密に言うと、教会の建物には釘が使用されている。ただ、それらは支持構造物には使われておらず、装飾用の木製パネルを傾斜に固定する部分のみに使われている。

3.           第二次世界大戦中、フィンランドの空軍パイロットは、キジ島の空爆の命令にしたがわなかった。パイロットは見事な木造教会に感銘を受け、壊すことができなかった。

4.           ケミ市の生神女就寝大聖堂は、人が手で囲えないほどの太い木で造られている。

5.           顕栄教会では、前例のない複雑な修復作業が実施されている。教会が特別なリフティング構造体で持ち上げられ、文字通り空中に「ぶらさがっている」。現場では「浮遊教会」と呼ばれているほどだ。

6.           ロシア北部の大工仕事は、ベネチアと同様、消えゆく芸術である。北風がこの教会を地上からさらってしまう前に見ておかなければ。

7.           イギリスの建築とは異なり、ロシアの木造教会では板が垂直方向ではなく、水平方向に設置されている。皮肉の好きなスミスさんによると、これがロシア北部の教会の主な秘密なのだという。

行き方

 カレリア共和国の行政中心地ペトロザヴォツクに行くには、モスクワ、サンクトペテルブルク、カリーニングラード、またはソチ行きの飛行機に乗り、そこで乗り換える。飛行機は満席な場合が多いため、あらかじめ予約しておくことが好ましい。窓側の席を希望する場合、同伴者と一緒に座りたい場合は、特にそうである。モスクワから行く場合、運賃は5945ルーブル(現行レートで1万580円)から。最も安い航空券は、jetradar.comで見つけることができる。

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