“黄金の秋”のシーズンは、フォトツアーにうってつけで、世界中の写真家が、カムチャツカの秋は地球で最も美しいと称賛する=Lori/Legion Media撮影
専門ガイドといっしょに
カムチャツカを独りで旅するのは難しいので、専属の英語のガイドを有する多くの会社がサービスを提供している。この半島をよく知ってもらうために、谷歩きやテント泊のできるヘリコプターのエクスカーションが行われている。かなりの勇気と忍耐が必要とされるコースが多く、火山の麓でのテント泊の際には、食べ物を求めてキャンプ場へやってきた好奇心旺盛なクマやずる賢いクズリを目にすることもある。
クマ
ヒグマが一番たくさん集まるのは、ユジノ・カムチャツキー禁猟区=M.ゲニス撮影
カムチャツカ地方のシンボルであるヒグマは、この半島の全域でお目にかかれ、ときには市内に現れることもあるが、最も遭遇しやすいのは、川や湖のほとりを散策しているときだ。ヒグマが一番たくさん集まるのは、ユジノ・カムチャツキー禁猟区。ベニザケの最大の産卵場所であるクリリスコエ湖に1千万尾のベニザケが溯上してくる様子はまさに壮観。
旅行者のために、特別の櫓が造られ、小径の両側に柵が設けられている。自然保護区の案内人に付き添われて、敷いた道や自然の道を歩きながら、ヒグマをゆっくり観察することができる。クマは、初雪とともに冬眠用の穴にこもるべく脂肪を蓄えるので、秋に体が最も肥える。
カムチャツカの森の主たちには、カムバリノエ湖のほとりでもお目にかかれる。それは、丘に囲まれた、よく霧に包まれる湖で、民族文化施設「カイヌィラン」(コリャーク語で「クマの館」)の敷地内では、目と鼻の先のクマを拝むことができる。ペトロパヴロフスクから40キロメートルのゼレノフスキエ鉱泉からほど近いところに位置し、そこには、季節を問わず希望者を犬橇に乗せてくれる、有名なカムチャツカの御者が、30人以上いる。
ヘリコプター
=Lori/Legion Media撮影
ヘリコプターでしか行けないジュパノフ川では、カワウソ、クズリ、オオヤマネコ、クロテン、ミンク、トナカイなどにも会える。ここの森には、オオワシやオジロワシ、ハヤブサやシロハヤブサといった凛々しい鳥たちが、太古より暮らしている。
12の活火山を含む26の火山がそびえるクロノツキー自然保護区にある有名なゲーゼル渓谷へは、ヘリコプターのエクスカーションがあり、忘れえぬ印象を残してくれる。そこでは、たえず湧きだす温泉、熱い沼、間欠泉、泥の釜、泥湯を噴き上げる小さな火山などを見物できる。
太平洋
=GeoPhoto撮影
カムチャツカヤッキング・クラブは、一年中、忘れ難い太平洋への小さな旅を提供している。一人乗りか二人乗りのカヤックもしくはカタマラン(双胴船)をしばらく走らせると、ペトロパヴロフスク湾のみごとな景観が開ける。
繋留されている船やタンカーのあいだを縫うように進めば、海鳥(エトピリカ、ウ、ウミガラス、カモメ)のコロニーやワモンアザラシやトドの群棲地に近づくことができる。それらの巨大な海獣は、市内にも生息し、ペトロパヴロフスクの風物詩となっている。
トドは、この半島の沿岸部のいたるところで見られるが、最も数が多いのは、アリューシャン列島やクリル(千島)列島だ。ここでは、6月に生まれた生後3~4ヶ月のトドが初めて自力で魚やイカを捕まえる様子を目にすることができる。
トド・ウォッチングへは、ボートかカタマランかカヤックで出かけることができる。
10月末から11月初めになると寒波が訪れ、小型船の使用が禁止されるため、この時季にはもっぱらカヤックが用いられる。だが、そんなシーズンの終りに太平洋の海獣を拝みに行こうとする向う見ずな旅行者もいる。
シャチ
シャチをすぐそばで見ることができるのは、カヤック乗りの特権だ=Lori/Legion Media撮影
カムチャツカは、シャチでも知られ、ジロヴァーヤ湾やルースカヤ湾で、その大きな群れを目にすることができる。ボートかカタマランで行くが、もっと間近で見たい人は、カヤックに乗り換える。シャチは、用心深く、自分より大きな船には近づかないので、シャチをすぐそばで見ることができるのは、カヤック乗りの特権だ。
シャチは、人間に対して攻撃的ではなく、好奇心を隠さずにカヤックに近づいて、鰭を高く突き出したり、潮を噴き上げたりする。シャチを目の前にすると、海の世界の逞しさ、美しさ、そして、果てしなさを実感できる。
カムチャツカ半島の生物
アクセス
ペトロパヴロフスクへの航空便は、モスクワ経由がほとんどだが、中国や日本からは、ウラジオストクまたはハバロフスク経由が便利。
モスクワからのフライトは、8~8,5時間。
カムチャツカでは秋がシーズンなので、9月のチケットの料金は約5万2千ルーブル(約15万6千円)。
宿泊施設
+7 963 8 324 555
+7 4152 427-201
旅行社
+31 652 38 1208
+7 914 629 3966
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