サンクトペテルブルクの週末

=ヴャチェスラフ・ステパノフ撮影

=ヴャチェスラフ・ステパノフ撮影

サンクトペテルブルクは、ロシアの文化と観光の中心だ。世界中から数千人もの観光客が、このピョートル1世とドストエフスキーの街を常に訪れており、その流れが止むことはない。人々が1週間の仕事を終えて活気に包まれる週末に、ペテルブルグっ子になった気分でさりげなくこの街を観光してみると、ツアーなどとは違った街の様子を見ることができるだろう。

金曜日

午後4時、街を見下ろしてみる 

 この目的にぴったりなのは聖イサアク大聖堂(Saint Isaac's Cathedral)だ。ブロツキーからグミリョフまで、さまざまなロシアの古典作家の詩で賛美されている。狭いらせん階段をのぼっていくと、そこには高さ100メートルからのぞむ優美な街のパノラマがひろがる。大聖堂の内装も豪華で、サンクトペテルブルクの重要な歴史的建築物のひとつに数えられていることも納得できる。

 

午後6時、夕食 

 サンクトペテルブルクには、比較的安いカフェやレストランがたくさんあり、この点で明らかにモスクワを上回っている。聖イサアク大聖堂の周辺にも十分すぎるほどある。快適で家庭的な内装がほどこされた、典型的なサンクトペテルブルクのレストラン「テプロ(Teplo)」がおすすめだ。

 テプロのオーナーは、かつてのこの街のアパートの雰囲気をかもしだせるよう努めたという。ソ連時代は市の高官らが、このようなアパートによく集まっていた。棚に並べられた本、おもちゃ、カーペット、やわらかで落ち着いた照明は、レストランにいることを忘れさせてくれる。

 メニューは、伝統的なロシア料理とヨーロッパ料理だ。サワークリーム入りのボルシチは6ユーロ(約750円)、子羊肉、ヴェーシェンキ(ヒラタケ属のきのこ)、シャンピニオン(ハラタケ属のきのこ)の入ったビーフストロガノフは10ユーロ(約1300円)だ。席は要予約。給仕人は英語を話す。

 

午後8時、ナイトライフ 

 お腹いっぱい夕食を食べたら、バーやレストランが立ち並ぶおしゃれなボリシャヤ・コニュシェンナヤ通りに行って、楽しい気分を満喫しよう。ここにはイギリス式パブだけでも5軒もある。サンクトペテルブルクでは昔からパブが愛され、店の数はモスクワの10倍にもなる。パブの多くが厳しい試験を受けなければならない。

 レストラン「妊娠した諜報員のための旅行かばん(Sakvoyaj Dlya Beremennoi Shpionki)」は、ただ名前が変わっているだけでなく、まるでアート空間のようだ。ピストル、信号、旧車などのある、魅力的で凝った内装となっている。

 

=ヴャチェスラフ・ステパノフ撮影

土曜日

正午、本と朝食 

 余裕がある人は朝から動いてみよう。ネフスキー大通りとグリボエードフ運河(Griboyedov Canal)が交差する場所には、歴史的な建物「ジンゲルの家(Dom Zingera)」があり、その中には本屋「本の家(Dom Knigi)」が入っている。2年前に改装された本の家は、市内最大そしてヨーロッパ有数の大きさを誇る本屋で、サンクトペテルブルクに関する本や写真集なども販売されている。上の階にはカフェ「ジンゲル(Zinger)」もあり、ゆったりと窓の外の街をながめることができる。

 

午後2時、おいしいおみやげ 

 昼間は買い物に適している。300年以上の歴史を誇る、市内最古の商業アーケード街「ボリショイ・ゴスチヌイ・ドボル(Great Gostiny Dvor)」は、有名な場所で一見の価値がある。

 高級食料品店「エリセエフ店(Eliseev's store)」も美術館のように美しく、入るだけでも優雅な気分になれる。ミハイル・ブルガーコフの長編小説をもとにした最近の映画「巨匠とマルガリータ」の中でも、このお店が何度か登場する。

 

午後4時、美術館 

 文化センター「ロフト・プロエクト エタジ(Loft-proekt ETAJI)」がおすすめだ。5階建ての元工場内にある、市内で初めてロフト・デザインを採用した、有名な展示施設だ。ここはいつでもエネルギーに満ちていて、来場者も自分に合う何かを見つけられるだろう。さまざまな展示会やアート活動を見学する以外にも、ここでは芸術に関する本や写真集を買うことができ、さらにホステルで宿泊も可能だ。

 

午後7時半、夕食 

 文化的な時間を過ごした後は、バーやレストランが20件以上立ち並ぶ、ルビンシュテイン通り(Rubinstein Street)を散歩するといいだろう。グルジア料理レストラン「ドト・バトノ(Doto Batono)」や、スペインのタパス・バー「タパス・バル・スロナ(Tapas Bar Slona)」などがある。

 

午後9時半、クラブ、バー 

サンクトペテルブルクではそれほどクラブに人気があるわけではなく、人々は小さくて快適な自分向けの空間で時間を過ごすことを好む。フォンタンカ川河岸通り(Fontanka Riverside)にある、おしゃれなバー「ミシカ(Mishka)」や「プロドゥクトィ(Produkty)」に行って、土曜の夜をエンジョイしてみてはいかがだろう。

 

日曜日

正午、ブランチ 

 イサアク広場やユスポフ宮殿(Yusupov Palace)に近い、市の歴史的中心部に位置する、レストラン「白痴(Idiot)」では、本物のロシア料理を食べることができる。ドストエフスキーの長編小説「白痴」にちなんで名づけられた、このレストランの内装は、19世紀の様式になっている。市内でもっともおいしいロシア料理を食べることのできるお店のひとつだ。給仕係は英語を話せる。イクラ添えクレープ390ルーブル(約1200円)、シチー290ルーブル(約900円)