2021年5月、ロシア連邦国家親衛隊が数年ぶりに新しい拳銃を採用した。カラシニコフ社が開発した「レベデフ・モジュラー・ピストル」(MPL)と、その特別版MPL1だ。
新拳銃は既存の拳銃のストックを補充し、マカロフ拳銃やヤルィギン拳銃に取って代わる予定だ。
「MPLとMPL1の開発は、ロシアの国防産業が現代的な拳銃の開発・製造能力を格段に高め、その量産態勢を確立できたことを示している」と雑誌『アルセナル・オテチェストヴァ』(祖国の軍備)のドミトリー・リトフキン編集長は話す。
MPLの開発は2017年に始まった。9×19 mm弾を用い、先進的な性能を持つ有望なピストルを開発することが目的だった。数年を経た2021年2月、MPLは試験に合格し、軍に採用される可能性が開かれた。
主な長所は、人間工学的に使いやすくなり、現代化の潜在力が高まり、さまざまな付属品(レーザーポインター、大容量マガジン、フルオート射撃に対応したトリガー機構)を取り付けられるようになったことだ。兵士はどんな任務にも合うよう銃をカスタマイズできる。
ちなみに、レベデフ・シリーズにはコンパクト版のPLKがある。詳しくはこちらからどうぞ。
PLKの国家試験は2020年8月に成功裏に完了し、ロシア連邦内務省から採用の推薦を受けている。
カラシニコフ社ドミトリー・タラソフ社長は、ロシアのメディアに対し、ロシア国家親衛隊がベーシック版(MPL)と特別版(MPL1)を採用したことを発表した。
新モデルの主な特徴の一つがバレルの低さで、発砲時のリコイルがより安定している。
タラソフ氏によれば、MPLとMPL1のグリップの形状は手に快適に収まるようにできている。照準を合わせる時間が減り、リコイルも軽減、撃ち手が速射できるようになっている。
どちらの銃にもグリップに着脱できるパッドが付いている。両銃とも、右利きでも左利きでも快適に操作できるよう部品が配置されている。
タラソフ氏によれば、MPLの特徴の一つは、9 mm 7N21弾タイプの強力な実包を使える点だという。この実包は国際的には「+P+」カテゴリーに分類される。他の9×19 mmパラベラム弾を使うことも可能だ。
MPLとMPL1はフレーム下部にある汎用性の高いピカティニーレールのおかげで性能が高まっている。フラッシュライトやレーザーポインターなどをバレルの下に取り付けることができる。
16発入りマガジンも大きな特徴の一つだ。
MPLの長さは205ミリメートルで、狭い場所でも素早く簡単に使用できる。サイレンサー取り付け用のバレルはやや長く220ミリメートル(サイレンサー装着時は400ミリメートル)だ。MPLの全高は140ミリメートル、MPL1はサイレンサー装着時に正確な射撃を行えるよう背の高い照準器を持つため145ミリメートルである。
MLPとMLP1の重量はマガジンなしでそれぞれ0.8キログラムと0.815キログラムだ。サイレンサーを取り付ければ、MLP1の重さは1.15キログラムに増える。バレルの長さはそれぞれ112ミリメートルと127ミリメートルである。
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