ロシアの新ピストルPLKが2021年に国外向けに発売される

Pavel Kuzmichev
 この銃は今後数ヶ月でロシアの軍と国家親衛隊のマカロフ拳銃に取って代わり、その後国外のディーラーに向けて輸出される。

 8月にモスクワ郊外で開かれた兵器展示会アルミヤ2020の注目の品の一つだったのが、カラシニコフ・コンツェルンの新拳銃PLKだ。同社の指導部は、間もなく銃の軍事試験が終わると発表した。試験後、ロシア軍とロシア国家親衛隊の制式拳銃に採用される見込みだ。

 2021年にはPLKは国外に輸出され、ヨーロッパをはじめ、カラシニコフ・コンツェルンと提携している世界のディーラーで手に入れることができるようになる。 

 「一年間で我々はPLKを軍の制式銃とし、その後民間用と輸出用のモデルを市場に出す。これらと軍用モデルとの違いは、ライフリングの周期とマガジンの装弾数だけだ」とカラシニコフ・コンツェルン民間銃器発展部長のヴァレンチン・ヴラセンコ氏はロシア・ビヨンドに話す。

 

PL-15Kとはどんな銃か 

 PLKとは「コンパクトなレベデフ拳銃」の略で、ロシア拳銃界のiPhoneのような存在だ。デザインから性能まで、あらゆる点でライバルより一歩先を行っている。 

 この拳銃は光沢のない柔らかい色調をしている。フレームは角が丸く、使用時にベルトや服のひだに引っかかって射撃手を苛立たせることもない。だが、マカロフ拳銃と比べた際のPLKの最大の特徴は、トリガーが軽くて短く、スライドの引きも軽いことだ。

 ロシア・ビヨンド特派員とともにカラシニコフの新製品を試した特殊部隊員の話では、この銃は「価格帯の割にトリガーが素晴らしい」という。価格帯は重要だ。銃器には、自動車の場合と同じく、完璧の追及に限界がないからだ。常に改善できるところがあり、部品をより高価なものに取り替える余地がある。 

 PLKのバレルは手のひらに向かって最大限低く取り付けられている。射撃競技用拳銃と同じく(主要な開発者のドミトリー・レベデフは元射撃競技選手)、発砲時の反動とぶれを抑えることが目的だ。グリップは理想的な曲線を描き、手にすっぽりと収まる。 

 作動方式は古典的なティルトバレルのショートリコイルだ。この方式は世界の大多数の拳銃メーカーが採用している。PL-15の標準的なバレルの長さは120ミリメートルで、銃全体の長さは207ミリメートルだ。サイレンサーを取り付けるためにバレルを長くしたモデルの製造も想定されている。なお、使用弾薬は9×19 mmパラベラム弾で、マガジンの装弾数は16発だ。 

 「短いPLKは100メートルの射撃に最適だ。銃身寿命は4万発以上だ」とヴラセンコ氏は指摘する。

 

「カラシニコフ製iPhone」の価格は 

 消息筋の非公式情報によれば、新しいPLKのコンツェルンからの仕入れ価格は一丁当たり約700ドルになるという。なお、国外のディーラーやロシア国内の銃砲店での価格がどうなるかは分からない。

 「ヨーロッパではこの銃をカラシニコフ・コンツェルンと提携しているディーラーで買うことができるだろう。ディーラーのリストは今は示せない(カラシニコフ・コンツェルンは制裁対象であるため)。銃の店頭販売価格も分からない」とカラシニコフ・コンツェルン民間銃器発展部長は補足する。 

 彼によれば、プロダクトマネージャーらは、ライバルと競合するために抑える必要のある店頭価格から検討し始めるだろうという。国ごとに価格は異なるだろう。すべての問題は、関税や値上げ、専売を利用してディーラーがどれほど稼ごうとしているかなど、具体的な市場条件に依存するからだ。

 「例えば、サイガはロシアでは500ユーロだが、ヨーロッパでは1400ユーロだ。ティーグル(スナイパーライフルSVDの民間版)はロシアでは600ユーロだが、ヨーロッパでは2600ユーロだ。このような割高の価格にもかかわらず、ティーグルはヨーロッパではすでに売り切れている」とヴラセンコ氏は言い、カラシニコフ・コンツェルンが「PLKの輸出開始に向けて真剣に取り組んでいる」と締めくくる。

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