ロシアのスナイパーライフル・メーカー、ロバエフ・アームズが、最新の開発品DXL-5を2020年11月に公表すると発表した。この銃は7000㍍先の標的を倒すことができる。
「DXL-5ハヴォックのプロジェクトは順調に進んでいる。現在はライフルの最後の部品を加工しており、11月には射撃試験が予定されている」とロバエフ・アームズのオーナー、ウラジスラフ・ロバエフ氏は話す。
彼は、新ライフルが「革命的」なものになり、4種類の弾薬を撃てるように作られると話す。
弾丸の初速は少なくともマッハ4~5(つまり音速の4~5倍)になる見込みだ。言い換えれば、弾丸は秒速1200~1500㍍の速度でライフルから飛び出す。こうした弾薬の一つは、3000㍍につきわずか約70分(角度の単位)のずれという精度をライフルに与えることになるとロバエフ氏は言う。
スナイパー用語を卑近な言い方に改めよう。この精度のライフルを使えば、アマチュアの射撃手でさえ何キロメートルも離れた標的を簡単に撃ち抜けるということだ。従来、遠くの標的を仕留めることを教えるには、何年もの専門訓練が必要だった。ちなみに、2017年半ばにイラクで活動する氏名不詳のカナダの特殊部隊員が遠距離射撃の新記録を樹立したと報じられているが、その記録は3540㍍だ。
「我々の計算では、別の口径の弾薬を使って我々のライフルに3000㍍につき55分のずれという非常に高い精度を与えられる。もし別の口径でさらに高精度の水平性を得られるなら、それは素晴らしいことだ」とDXL-5の開発者は期待を込める。
ロバエフ氏によれば、ロバエフ・アームズ社の一番の目標は、DXL-5を、プロ、アマチュアを問わず誰でも使いやすい銃にすることだ。
同社の技師のリーダー、ユーリー・シニチキン氏の話では、DXL-5の弾薬は世界で最も強力なスナイパーライフルの弾薬である12.7×99 mm弾と12.7×108 mm弾(いずれも最大2キロメートル離れた軽装甲車両を仕留めるのに使われる弾薬)の性能を上回るという。
同社は、DXL-5の正規版と並んで、世界記録を樹立するための特別版を開発している。ロバエフ・アームズは、特別版のDXL-5が7000㍍先の標的を仕留められる世界初の銃になることを望んでいる。DXL-5の特徴については、こちらの記事を参照されたい。
「我々は新たな口径のライフルをたくさん射撃場に運び、どれが新記録を樹立するのに最も適しているかを見極める」とシニチキン氏は力を込めて語る。
新ライフルは、ロバエフ・アームズ独自のプロジェクトだ。ロシア国防省や国家親衛隊の支援を受けたものではない。
シニチキン氏は、この銃がロシアの軍と特殊部隊に採用されるか否かは、射撃試験を実施すればいっそう明らかになるだろうと話す。ロバエフ・アームズはこのライフルを国際市場でも販売することも目指している。
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