8月21日(金)、カラシニコフ・コンツェルンがロシア国内外に最新の開発品AK-19を公開した。この銃はNATO 5.56×45 mm弾を使用する。
新製品はモスクワ近郊で開催されている兵器展示会アルミヤ-2020の話題の品の一つだ。展示会の訪問者は、サウジアラビアやアラブ首長国連邦の武器市場に参入しようというカラシニコフ・コンツェルンの計画について活発に議論していた。この2ヶ国の武器市場は現在アメリカとヨーロッパの企業が完全に独占している。
なお、カラシニコフ・コンツェルンのドミトリー・タラソフ社長も、同社の経営陣も、「企業秘密」を理由に、この計画について肯定も否定もしていない。「製品の注文主に関するすべての情報は非公開であり、合意の締結後、顧客の了承を得てのみ公開できる」とのことだ。
AK-19は2018年にロシア軍に配備された自動小銃AK-12の発展版だ。
カラシニコフ・コンツェルンの代表者ウラジーミル・オノコイ氏の発表によれば、ここ数年の実戦運用を通じ、同社は欠点の克服や使用者の希望の反映に努力してきたという。そして、最も口うるさい顧客をも満足させる銃を開発した。
「5.56×45 mm弾は、世界で最も普及している軍用弾薬で、NATO製の自動小銃を採用している百ヶ国以上の市場で手に入る。今やロシアは、他国の自動小銃よりも信頼性が高く、人間工学的特徴でも同じく高い水準にある銃を競売にかけることができる」とコンツェルン代表者は話す。
自動小銃AK-12とAK-19の特徴は似ている。従来通り250~300メートル先の標的を撃つことを想定している。違いと言えば使用弾薬が異なることくらいだ。
重要な違いはディテールにある。カラシニコフ・コンツェルンは外国市場向けにその自動小銃により軽い折り畳み式ストックを装備した。長さを調節でき、防弾チョッキの有無にかかわらず、兵士それぞれが自身の体形に合わせて調節できる。
「ストックは全く異なる構造をしている。軽いと言って過言ではなく、精巧で美しい。調節の幅も十分広い」とオノコイ氏は語る。
さらにカラシニコフ・コンツェルンは、外国人向けに全く異なるグリップも作った。発砲時の反動を軽減し、銃の扱いを快適にするものだ。
設計者らは、照準器や照準版をNATOの標準に合わせるなど、重要なニュアンスに注意を払った。
「我々は、我々の銃が、外国軍で使用されている弾薬だけでなく、その軍の有している照準器とも互換性があるものであることを望んでいる。例えば、AK-12はロシア製の照準器は問題なく取り付けられるが、運用過程で分かったのは、照準版が付属品取り付けに関して大きな役割を果たすため、特殊部隊は外国製の赤外線カメラや暗視スコープを取り付けるのに苦労するということだ」とカラシニコフ・コンツェルン代表者は指摘する。
彼によれば、銃には細かいニュアンスが付きまとうが、これが戦場では大きな問題になることもあるという。
また、AK-19にはサイレンサーが装備されており、これに合わせて取り付けられているコンペンセイターはマズルブレーキ(発砲時の反動と跳ね上がりを軽減する部品)の役割を果たしている。「しかもAK-19は普遍的なモデルであり、外国製のいかなる簡易着脱式サイレンサーも取り付けられる」と同社の専門家は話す。
AK-19が技術的にドイツの自動小銃H&K 416やベルギーのFN SCARにどのように勝っているのか、カラシニコフ・コンツェルンは明言を避けている。
コンツェルンは従来通り、同社の自動小銃の信頼性の高さを主要な強みと考えている。
「我々はライバルに比べて信頼性が高い。経験上、試験条件や注文国の気候が厳しければ厳しいほど、競売に唯一勝ち残る確率が高くなる」とオノコイ氏は語る。
同氏によれば、AK-12後のAK-19の開発に当たってカラシニコフ・コンツェルンが目指したのは、微妙なニュアンスをなくし、このモデルを人間工学の観点でドイツやベルギーのライバルの水準にまで高めることだった。
「しかも、我々のAKは他より軽くて安く、集弾率と人間工学的要素もライバルに比べて劣っていない」と射撃手は締めくくる。
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