ロシアが世界唯一の超音速ミサイル探知レーダーの販売を開始

Rosoboronexport/Sputnik
 このレーダーは、近宇宙を時速10800キロメートルで飛翔するミサイルを探知できる。

 ロシアの軍産複合体が最新の移動式レーダー基地の国際販売を開始すると発表した。コードネームは59H6-TEで(こういう名前はビジネス的には受けが良くないということを技師らに教えるセールスマンがいないようだ)、現時点で国際市場唯一の超音速飛翔体探知レーダーだ。

 「最高速度時速10800キロメートルで飛ぶ飛翔体、すなわち超音速ミサイルと、個々の再突入体を複数の目標に向かって飛ばす大陸間弾道ミサイルを捕捉できる。大陸間弾道弾の再突入体は、今後最大5年以内に、大気圏内をこのくらいの速度で飛行できるようになる見込みだ」と軍産複合体関係者は語る。

 この技師によれば、現時点でロシア軍のみが超音速ミサイル(具体的には、現在北極海でさまざまな軍事試験を経ている対艦ミサイル「ツィルコン」。詳しくはこちら)を有しているが、軍の司令部は米国と中国が今後五、六年以内に同等の技術を手に入れるだろうと見込んでいる。

 「我々の計算では、近い将来、ミサイルは近宇宙の高度100キロメートルのところを飛ぶようになる。この移動式レーダーはその高度の飛翔体をすでに探知できる」とこの情報提供者は続ける。

どの国の購入が見込まれるか

 「これは、他のどの国も市場に売り出せないテクノロジーをロシアの軍産複合体が提供できる機会だ。米国は制裁と政治的事情でこのレーダーを買うことはないだろう。昨年、プーチン大統領はトランプ大統領に超音速ミサイル探知技術を売ることを提案したが、トランプ氏は、米国の技師もすでに独自のレーダーシステムを完成させつつあるという理由で断った。したがって、このレーダーは世界で最も兵器市場の成長が著しい中東諸国が関心を示す可能性が高い」と軍事科学アカデミーのヴァジム・コジュリン教授は話す。

 

 だが、専門家でも移動式レーダー基地59H6-TEの価格を特定することはできないという。「国際市場での兵器の販売事情はどの国を相手にするかによって異なってくるため、こうした兵器に標準価格は存在しない」とコジュリン氏は言う。 

 「例えば、CIS(独立国家共同体)諸国が購入する場合と、中国やインド、トルコが購入を検討する場合とでは価格が全く異なる」と同氏は続ける。

 また彼は、59H6-TEと弾道弾迎撃ミサイルシステムS-500プロメテーイとを関連付け、これらの兵器が今後数年でロシアの国境防衛に不可欠な要素となると指摘する。

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