ロシアがプロジェクト22350Mに基づく最新のフリゲート艦を12隻建造する予定だ。それぞれの船に巡航ミサイル「カリブル」、「オニクス」、「ツィルコン」が最大48発搭載される。ロシアのメディアが防衛産業関係者の話として5月半ばに報じた。
「一連の船の最初のものは2027年に海軍に納入される予定だ」と造船業関係者は話す。
排水量7000トンの船の技術特徴の概要は2019年末までに公表される見通しだ。軍の計画では、それぞれの船に最新の国産艦載ミサイル「カリブル」と「ツィルコン」など3種のミサイルを装填できる発射装置が設置される。
「こうしたフリゲート艦を合わせて12隻造る計画で、うち11隻は軍の武装に関する新しい国家プログラムの一環として注文主に納入されることになる」と情報提供者は話す。
加えて、船自体をミサイル攻撃から守る「傘」となるのが、最大100発のミサイルを発射できる対空ミサイルシステム「ポリメント・レドゥト」だ。魚雷で武装しており、潜水艦による攻撃にも対応できる。
イスタンブールで行われた国際軍事産業展覧会 IDEF-2019で紹介された巡航ミサイル「カリブル」のロケットランチャーと対潜迫撃砲RBU-6000 スメルチ-2。1136型警備艦「アドミラル・エッセン」に掲載されている。
アレクサンドル・メルニコフ撮影/Sputnik現在バルト艦隊ではプロジェクト22350に基づく最初の船「アドミラル・ゴルシュコフ」がすでに運用されている。ただしこちらはプロジェクト名の最後に「M」が付いていない。
「これは良い船で、技師らはこの船を最新化する方法を提案しなければならない。第一に、48発にまで増やされることが決まった装弾数の問題だ。また一連の最新の船には、統一的かつ普遍的な自動発射制御システムを搭載する必要がある」とイズベスチヤ紙の元軍事評論家、ドミトリー・サファノフ氏はロシア・ビヨンドに話す。
彼によれば、現在この船に搭載できるミサイルの数は16発で、船の規模も発表された最新化の指標の半分ほどだという(現在プロジェクト22350に基づく船の排水量は4500トン)。
シリアにおける違法軍事組織の拠点を目的としたP-800「オーニクス」の地上発射型「バスチオン」からの発射。
ロシア国防省/Sputnik「カリブル」は「ロシア版トマホーク」だ。平たく言えば、防空システムが予測できない軌道で地表の起伏をかわしながら目標まで飛翔する艦載巡航ミサイルである。現在このようなミサイルは武装勢力との戦闘において最も効果的かつ致死的な兵器の一つとなっている。
有効射程は2600キロメートルだ。10〜15年もすればテクノロジーは全く新しい次元に達し、この高精度システム(「カリブル」は30メートル以内の誤差で目標を破壊する)に、核兵器に近い爆発力を持つ弾頭を搭載できるようになるだろう。
つまり、この高精度かつ操作性の高いミサイルは、事実上爆発後に放射能を含むキノコ雲を残さず、土地の放射能汚染も引き起こさない兵器となる。 「ツィルコン」は超音速で目標まで飛ぶ世界唯一のミサイルシステムだ。音の8倍以上の速さ(秒速約2.5キロメートル)で飛行する。公表されているところでは、「ツィルコン」の有効射程は約500キロメートルである。
なお「ツィルコン」は対艦ミサイルシステムであり、「カリブル」と違って専ら敵艦の破壊に使用される。
特筆すべきは、超音速ミサイルは現時点でロシア以外どの国も保有していないということだ。こうしたミサイルシステムに対抗する有効な手立ては今のところ存在しない。
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