ロシアは防空能力を高めるため、「コンテナ」というコードネームで呼ばれる一連の無線基地を新設し、2019年12月に運用を開始した。
これらのレーダーはモスクワから500キロメートル以内にある。ロシアの最新テクノロジーを用いており、3000キロメートル離れたところを飛行する極超音速ミサイルも探知できる。
ロシア国防省によると、これらのレーダーはすでに中東でステルス戦闘機のいくつかの飛行ルートを明らかにしたという。
「これらのレーダーはジェット戦闘機や前線戦略爆撃機のミサイルのような大きな標的だけでなく、小型の無人機も見つけ出せる」と国防省の報道官は話す。
報道官はまた、このシステムが同時に5000の飛翔体を監視でき、危険が迫る場合には国境沿いの防空部隊に情報が伝達されることを明らかにしている。
「コンテナ」基地は、現在進行中のロシア軍の最新化プロジェクトをまた一歩進めることになった。
これらのレーダーは、既存の防空システムでは探知できない地球近傍軌道という「新たな高度」から来る次世代の標的も見つけ出せる。基地の運用が始まった一方で、ロシアの技師らは今後「上からの脅威」を撃ち落とすことになるシステム、S-500「プロメテウス」の開発を進めている。
S-500「プロメテウス」は、「コンテナ」レーダーと密接に結び付き、ロシア史上最高の防空システムとなるべく開発が進められている。
システムの開発は、将来ロシアの防空を担うことから極秘扱いで、開発者や国防省の発表を注視していくしかない。
S-500システムは、近い将来高度100キロメートル以上(地球近傍軌道)から飛んで来る極超音速ミサイルを迎撃できるよう備えがなされている。
ちなみに、世界の既存の防空システムは、どれ一つとして将来のこうした脅威から国を守ることができない。したがって、ロシアは防空市場で初めて、新時代の空の盾を作り出す国となる予定だ。
S-500「プロメテウス」に装備されるミサイルは、全く新しい自動ホーミング弾頭により、宇宙空間の標的も撃墜できることが分かっている。この弾頭のおかげで、ミサイルは宇宙空間の標的を(地上との交信が途絶えても)自分で特定し、迎撃・破壊できる。
また、これらのミサイルはマッハ9(時速10800キロメートル)の極超音速で飛行し、半径500キロメートル以内・高度100キロメートル以内の標的を迎撃できることが分かっている。
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