ロシア初のAR-15:古くて新しいライフル

Anastasiya Karagodina
 この高精度かつ効果的な銃は、米国製の小銃を欠くアフリカや中東の武器市場を制するために作られた。

 ロシアのフォルト(Fort)社(世界的な自動車メーカーのフォード(Ford)社と混同しないように)が、2019年末にAKの最大のライバルであるAR-15の初のライセンス版を発売した。

 知らない人のために一言説明しておくと(この記事を読んでいる人にそんな人はいないだろうが、念のため)、AR-15は効果的かつ安価であり、プラットフォームに取り付けられるアクセサリーやアップグレードの数や種類も豊富なため、ロシア製のAKの最大のライバルとなっている。

 またこの銃は、ロシア国内や中東で敵を掃討しているロシアの特殊部隊員が非公式に選ぶ主要な武器の一つでもある。

 だが2014年に米国が制裁を科して以来、ロシア市場からは、この小銃も、交換部品も、アクセサリーも消えてしまった。

 そこでロシアの軍需企業は、ライセンス権を買ってこの人気かつ効果的な小銃を自分たちで製造する時が来たと判断したのだ。

第一印象

 手に取ってみると、思ったよりも軽い。すべてのレバーが指の届く位置にあるので操作し易く、あるモードから別のモードへ簡単に切り替えられる。リコイルを肩で直接受け止められるため銃がぶれず、右手でも左手でも撃つことができる。

 トリガーはとても短く、AKのものとかなり異なっている。このため素早く射撃し、同じ目標に何度も連射することができる。

 この時、私はなぜ世界中の射撃手がARのプラットフォームを称賛するのか分かった。何度でも同じ目標に連射できるのだ。この感覚は表現できない。プロの射撃手でない者がこれほどの狙撃の成績を残せるとは、愉快であると同時に信じ難いことだ。

 同時に、スコープや光学装置、フラッシュライト、レーザーポインターなど、好きなアクセサリーを取り付けてより快適に撃つことができる。

 この小銃の人間工学的な工夫は異次元のものだ。

 だが、この小銃が克服できなかった明らかな欠点もある。

短所

 一ヶ所の射撃場で一日撃っただけで、(特に米国のものと比較して)ロシアのARに使われている金属と複合金属の良し悪しを語るのは難しい。だが、2つ目のマガジンを撃ち切ったところで、「銃とバレルを休ませろ」と言われ、別のAR-15を試さなければならなかった。

 このプラットフォームは繊細で、ロシア製のAKほど過酷な気象条件に適していない。ロシアの特殊部隊将校に話を聞くと、彼らはもし任務でシリアに行くなら、チームはAKを選ぶだろうと言った。AKは中東の砂漠の砂や塵に耐えられるからだ。ARだとそうは行かないだろう。

 彼らが言うには、ARの最大の欠点は、その繊細さと信頼性の低さだ。それでも、気候が穏やかな都市部の任務ではチームはARを選ぶという。

 ロシア製ARのもう一つの大きな欠点は、その価格である。標準版の価格は、最も安くて1800ドル(19万8千円)だ。米国で手に入る標準的なARよりも1000ドル(10万9千円)近く高いことを指摘しておこう。

 フォルト社の代表らは、これはロシアにおけるAR生産の複雑さや高い税のせいだと釈明する。とはいえ、ロシアのARが高すぎることには変わりない。

ロシア製ARの考え得る未来

 だが、企業家らは将来に向けて大きな野望と計画を持っている。米国政府の制裁を受けているアフリカと中東の武器市場を制することだ。平たく言えば、米国企業の武器が流れて来ないが、その需要が高い地域である。

 またフォルト社は、市場で最も一般的なAKの7.62×39 mm弾を使用するAR-15の開発も検討している。同社のプロジェクトが今後どう展開していくかは、2020年代初めに彼らの最初の製品がアフリカや中東の紛争地域に現れてみて初めて分かるだろう。

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