FSB(連邦保安庁)の特殊部隊が、11月末にモスクワ近郊にある軍事演習場の射撃演習を一部公開し、部隊が保有する最も強力な武器の一つを紹介した。12.7×55 mm弾を使用する無音自動小銃、ASh-12だ。
特殊部隊員の話では、このライフルは狭い空間での戦闘で50~100メートル以内の標的を狙うために開発された。
「専用に開発された大口径亜音速弾は、最高級の防御性能を誇る防弾チョッキでも貫通できる。この銃は、建物が密集する市街地での銃撃戦において、障害物や防弾チョッキで守りを固めた目標を仕留めるのに最適だ」と特殊部隊員の一人が演習場でロシア・ビヨンドに語った。
彼が強調するように、山岳地帯や森林では隊員は従来のAKを好む。AKのほうが射撃の精度が高く射程も大きいからだ。
「ASh-12はブルパップ方式(弾薬の入ったマガジンが、トリガー・ハンマー機構より後ろのストック付近にある)で作られ、銃本体がコンパクトになった。敵を防御施設から燻り出すためのグレネードランチャーをバレルの下に装着することもできる」と特殊部隊員は続ける。
アクセサリーはピカティニー・レールで銃の上部・下部・側面に取り付けることができる。これにより、特殊部隊員は武器を自分に合わせてカスタマイズすることができ、光学照準器、コリメーター、フラッシュライト、グリップなど、必要なカスタムパーツを装着できる。
威力は強いものの、このライフルには本質的な欠点もある。リコイル(射撃の反動)の大きさと集弾性の低さだ。このような弾薬を使用した際のリコイルは、訓練を受けていない人が撃てば、ライフルが文字通り手から吹き飛ぶほどだ。特殊部隊員であっても、銃を元の位置に戻して敵に照準を合わせ直さねばならず、貴重な時間を奪われることになる。
なお、ASh-12を備えたFSBの特殊部隊用に、同様の弾薬を使用するスナイパーライフルが開発された。最大500メートル離れた標的を仕留めることができる。
FSBの特殊部隊が導入した最も静かな消音狙撃銃については、ロシア・ビヨンドのこちらの記事で知ることができる。
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