これはロシアの技師らが作り出した最も変わった製品の一つで、2002年から限定生産されて特殊部隊に供給されている。
OTs-38は、ロシア唯一の消音リボルバーだ。専用の7.62×41 mm弾の初速は秒速200メートルである。しかも、このリボルバーはシリンダー下部の弾丸を発射するため、リコイルを何倍も抑え、射撃時の衝撃を直接手で受け止めることができる。またこれにより、銃撃戦の際に銃の照準を保ち、手の中で銃を跳ね上げずに済む。
その上、バレルの上にはレーザーポインターが据え付けられている。これにより、ハリウッド映画さながら、閉鎖的な空間で効果的に活動し、見慣れぬ兵器で敵に恐怖を植え付けることができる。
PP-2000は、市街地で活動する治安機関(内務省と連邦保安庁)の特殊部隊用の銃、または個別のカテゴリーの軍人の自衛用の銃という位置付けだ。
このマシンピストルは、世界で最も普及している9×19 mm弾を使用する。この弾は、厚さ20ミリメートルのチタン製の板を貫通する。PP-2000の標準マガジンは30発入りだ。戦闘中、予備の弾はストックにしまって連射時の支点としたり、素早いマガジン交換に利用したりできる。
なお、銃の重要な特徴は、小型自動小銃やマシンピストルの市場のライバルと比較して、リコイルが全くないことだ。
PP-2000は、サイレンサーやレーザーポインター、赤外線を利用するナイトビジョンを取り付けることができる。
この銃は、第二次世界大戦後のソ連軍の制式自動小銃の座をめぐってAKと競った主要な銃の一つだ。
コロボフの開発品は、当時としては完全に「宇宙的」なシステムだったブルパップ方式(マガジンがストックにあり、トリガー・ハンマー機構が銃の前部に配されている)を採用している。もう一つ新奇なのは、銃を軽くし人間工学性を高めるため、従来の木と金属に代えてプラスチックをベースとした複合材料を使用している点だ。加えて、演習場の射撃では、カラシニコフ小銃と同等の集弾性を見せた。
だが新しいアイデアに満ちたコロボフ自動小銃は、保守的な将軍の反感を買った。「宇宙的」なデザイン、当時は一般的でなかったプラスチックの使用、左肩にストックを当てて発砲した場合に射撃手の顔に薬莢が当たるという点が負の要素となって、この銃は制式自動小銃を決める国家試験に合格しなかった。
コロボフ自動小銃は忘れ去られ、今日ではトゥーラ(モスクワから170キロメートル)の兵器工場博物館で40年代末に作られた唯一の試作品が見られるのみだ。
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