ような任務をうまくこなすには、どのような心得が必要だろうか。
「知らない土地で任務を成功させるには、絶対的な方向感覚を持ち、軍事地誌を完全に理解できなければならない。このためには方位磁針や地図を使いこなし、主要な敵陣の座標を記入し、正確に本部へ伝達できる熟練者でなければならない」――ある特殊部隊予備役将校が匿名を条件にロシア・ビヨンドにこう話す。
偵察兵は、敵の武器のモデルと口径や敵の熟練度を一目で特定しなければならない。
「平たく言えば、これから銃撃戦をする相手が単なる『擲弾を持ったサル』なのか、米国のデルタフォースないし英国のSASレベルの戦士なのかを見極める必要があるということだ」と同氏は続ける。
また、知らない土地で活動する偵察兵は、敵の戦列の中で誰が誰かをはっきりと識別して最も危険な敵兵を割り出し、まず初めに仕留めるべき標的を司令部に伝えなければならない。
「だが、もし偵察兵がカムフラージュの仕方を心得ておらず、夜間に音を立てずに行動できなければ、何も上手く行かないだろう。足元の枝を折ってはならないし、もちろん有刺鉄線や網、仕掛け罠などの障害物を乗り越えなければならない」と将校は指摘する。
その上、水中を自由に歩き、いかなる水の障害物も乗り越えられなければならない。
人体測定学的データによれば、偵察任務に最適なのは、身長約175センチメートルの痩せ気味ないし「細マッチョ」の若者だ。
特殊部隊員は皆シュワルツェネッガーやスタローンのようにムキムキのマッチョだというのは、映画が生んだ迷信だ。実際にはそれほどの筋肉を養っていられない。装備品の詰まった50キログラムほどの背嚢を背負って山や森を歩き回らなければならないとなればなおさらだ。
なお、部隊に相応しい若者の選抜は軍事学校時代からすでに始まっている。選抜率が特に高いのは、連邦保安庁アカデミーとリャザン空挺軍大学だ。
だが、服務中に抜きん出た活躍を見せたさまざまな部隊の現役将校が特殊部隊の入試に「招待」されることもよくある(超優秀な兵士の武勲は国防省上層部の耳にも届いているのだ)。
体外諜報特殊部隊の候補者の体力訓練は(ごく稀な例外を除き)、スポーツマスター称号の候補者のそれに勝るとも劣らない。基本的に候補者の選考においては、陸上競技のスポーツマスター候補者やオリエンテーリングのスペシャリスト、登山訓練を積んだ者が重視される。
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