ロシアと米国は核ミサイルをどう解体し、互いをどう監視しているか

AP
 今のところ、米露両国は互いに核兵器保有量のわずかな変化も逐一監視し、核弾頭の数を周到に調べている。

 2011年に発効した新戦略兵器削減条約により、2021年までロシアと米国は1550個以上の核弾頭と700発以上の核ミサイルを保有してはならない。

 しかし双方は自国の核兵器を常に更新しており、所定の数量に収めるため、リストから外した兵器は破壊しなければならない。こうしてロシアは17000キロメートル先の目標を破壊できる大陸間弾道ミサイル「サルマト」を戦列に加え、一方米国は自国の核兵器の最新化・更新計画にのみ取り組んで既存のミサイルを維持している。

 両国はリストから外した兵器をどう解体し、互いをどう監視しているか。

相互監査

 専門家グループが、核兵器が配備されている基地を訪れ、すべての対象の中から自分たちが選んだものをチェックできる。

 「委員会が軍事基地にやって来て、大陸間弾道ミサイルからフェアリングを外し、内部の核弾頭装填数を調べる。一発のミサイルの許容装填数は8つだ」と世界経済国際関係研究所国際安全保障センターのアレクセイ・アルバートフ所長はロシア・ビヨンドに話す。

 同氏は、米国の原潜、例えばオハイオ級原潜「トライデント」でミサイルの数がいかに管理されているかを解説する。米国海軍には現在オハイオ級原潜が14隻あり、新戦略兵器削減条約以前は一隻につき8つの核弾頭を装填したミサイルを24発搭載していた(一隻で192個の核弾頭を積んでいたことになる)。同条約締結後は、米国は核ミサイルから手作業で核弾頭を抜き取り、装填数をミサイル一発につき3つに減らした。

 「これは現場で容易に確認できる。委員会が潜水艦を選ぶ。潜水艦からミサイルが抜き取られ、修理施設へ送られる。そこでミサイルの最後の段からフェアリングが外され(なお弾頭は構造が見えないようカバーで覆われる)、監査官がそれぞれのミサイルの核弾頭の数を数える」とアルバートフ氏は言う。

 核爆撃機は事情が少し異なる。その一部は戦列に留められるが、非核化のための点検を受ける。このために、大きく重い巡航ミサイル用のパイロンが機体から外される。核兵器の格納・使用に不可欠な設備も取り除かれる。すべての手続きを終えると、飛行機は「核爆撃機」のリストから外され、「非核爆撃機」に改められる。

Grigory Sysoyev

 核弾頭は直接保管庫に送られるが、その後の処理は米露それぞれの指針に従って行われる。核弾頭や核爆弾に対する所定の手続きは一切ない。ミサイルの胴体と始動機構のみが解体される。

 「ロシアと米国は、年に8回互いに核ミサイルの処分過程についての情報を伝え、詳細な報告書を提出している。何らかのミサイルがリストから除外された日時。保管地区と解体基地までの詳しいルート。しかも全過程が宇宙から衛星によって追跡されている」とタス通信軍事評論家のビクトル・リトフキン氏はロシア・ビヨンドに話す。

 彼によると、各過程が写真や動画に収められる。これらのデータがあれば、彼らの眼前にある対象が何なのかを正確に解析し、ミサイルの戦略的・技術的特性を完全に把握することができる。

 解体工場でミサイルは細かく切断され、工場の前に晒し出される。「ミサイルの残骸を相手に見せつけなければならない。」

 しかし、ミサイルの解体前に取り出された核弾頭については、事情がやや複雑だ。

核弾頭はどう処分されるか

 一部の弾頭とミサイルの処分は極めて単純かつ陳腐な方法で行われる。すなわち、核爆弾を抜き取り、演習場で打ち上げるのだ。

 もし何らかの理由でこれを実行できないなら(例えば、電気系統やエンジンが働いていない場合)、ミサイルは専門の企業で処分される。そこでミサイルは、残骸が新たなミサイルの製造に利用できないよう、廃物の状態にまで裁断される。その際、内部の始動機構は圧縮され、切り刻まれ、溶解炉に送られる。

 これで、(比較的)最も簡単な作業が終わる。

 最終段階では、核兵器は「埋葬」という方式で処分される。人類はまだこの問題に対してこれ以上有効な解決策を見出せていないからだ(核弾頭の製造には、原子炉の使用済み核燃料が用いられる)。同時に、現場作業員の重要な課題は、これらの物体を扱う全工程において放射能に対する安全性を確保することだ。このために、ロシアと米国は核廃棄物と外界との相互作用を防ぐ特別な気密カプセルを作った。

 現在、核兵器の「埋葬」に最適な場所と考えられているのは、世界の大洋の底だ。特別に割り当てられた場所に無人機が送られ、コンテナを海底に収納する。「埋葬」場所は、自然災害で気密カプセルが破壊されないよう、最も地震の恐れがない場所から選び出される。

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