ロシア軍の3分の1が、9月11日から15日にかけてモスクワから遥か離れたカムチャッカの「戦場」で行われる、過去数十年で最大規模の軍事演習のために集結した。
ロシア国防省によれば、30万人以上の兵士、4万台以上の軍事車両、数千機もの航空機が国中で「戦闘に投入」された。
「東部及び中央軍管区、北方艦隊、ロシア空軍部隊、『超水平線軍』、軍事車両、ロシア航空宇宙軍の戦術航空司令部が、来る軍事演習に参加する」とロシア連邦軍参謀本部のワレリー・ゲラシモフ参謀総長が発表した。
演習の戦術的目標は、ロシア軍の有事への備えを確認し、必要に応じて国内のある地点から別の地点へと迅速に移動する準備ができているか否かを確かめることだ。
演習のシナリオでは、仮想の国(シナリオではロシアとは名指しされていない)が外国軍の攻撃を受けると、この国の軍はその広大な国土のあらゆる地点から戦場へと移動しながら反撃することになっていた。
第1軍が敵役を務め、ロシア(あるいは演習用に考え出された国)に対して攻撃を仕掛ける。第2軍は国境を防衛する。
地上軍は最大7000㎞の距離をカバーすることを期待され、艦船の中には4000海里を航行せねばならないものもあった。 ロシアだけでなく世界中から集まった観客は、1000機以上もの軍用機(戦闘機から戦略爆撃機まで)、ヘリコプター、軍司令部によって現在試験中の小さな無人機を見ることができた。
また演習には、装甲兵員輸送車や最新の戦車T-14「アルマータ」、戦車支援戦闘車T-15「ターミネーター」を含め、重量級から軽量級まで、約36000台の装甲車両が参加した。
最も重要なのは、中国軍が参加したことだ。これにより、大規模ではあるが局所的だった演習が、大きな政治イベントに変わった。
ペンタゴンが二国の演習を注視するとコメントを出したほどである。
この地上演習はロシア中の空軍と海軍によっても支援された。80隻の軍艦と民間船から成る北方艦隊・太平洋艦隊も参加する予定だ。
ロシアのトップ級の将軍の一人、アレクサンドル・ジュコフ氏が指摘するように、演習ではシリアでの戦闘の経験者らが攻撃・防御の指揮を執っており、戦争に行ったことのない兵士も実践的な経験を積むことができる。
また今回の演習の目的の一つは、必要に応じて近隣諸国を支援する方法を会得することだった。したがって、中国との合同演習もまた、訓練の重要な一部である。