第4回軍事技術フォーラム「アールミヤ2018」で展示された防衛システム「Buk-M3」。「パトリオート」公園にて。
セルゲイ・ボブィリョフ撮影/TASSロシア軍の対空防衛隊は、2020年代の初めまでに兵器を更新し、最新の対空防衛システム「Buk-M3」に移行する。
最新のシステムの使命は、現行の、あるいはこれから登場しつつある飛翔破壊兵器を迎撃することだ。「Buk-M3」にとっては、目標が誘導ミサイルか、弾道ミサイルか、巡航ミサイルか、航空機搭載爆弾か、高精度兵器の砲弾か、航空機(戦闘機や襲撃機)か、ヘリコプターか、無人偵察機か、無人攻撃機かは重要でない。
このシステム一台で、2.5〜70キロメートルの距離の防空を保証でき、高度40キロメートルの成層圏にある目標も撃墜できる。この際、ミサイルや航空機は地上に向かって秒速3キロメートルで飛んでいても構わない。ことさら巧妙なこの対ミサイルシステムは、宇宙や海上の目標も撃ち落とせる。
システムはマイナス50度からプラス50度までの気温差に耐えられ、敵のあらゆる電波妨害にも耐えて機能することができる。「Buk-M3」は48個の目標まで検知でき、あらゆる方向から来る4つの目標を同時に攻撃できる。
「この兵器はキャタピラや車輪付きの車体に搭載でき、鉄道列車や船に載せることもできる。これは汎用性の高い兵器で、いかなる目標も97パーセントの精度で破壊できる」と元イズベスチヤ紙軍事アナリストのドミトリー・サフォノフ氏はロシア・ビヨンドに語る。
専門家が話すように、このような能力を有した兵器は世界に一つもない。アメリカの「チャパラル」やイギリスの「レイピア」も、仏独の「ローランド5」も、フランスの「クロタルNG」ですらも、このような能力を持たない。
「Buk-M3」は、「撃ちっ放し」(ファイア・アンド・フォーゲット)の原則で作動する。したがって9M317Mミサイルは、弾頭部のレーダー自動誘導システムによって目標を捉え、どこまでも追尾する。
ロシアのメディアが伝えているように、「Buk-M3」のミサイルは非常に機動性高く、嵩張る搭載物を物ともせず、敵の激しい砲火や電波妨害の条件下において、最も複雑で予測不可能な軌道を描いて移動する飛翔体を追跡できる。
「『Buk-M3』の最も重要な特徴の一つがミサイルだ。ミサイルは、C-300やC-400のものと同様に、水平状態で発射され、目標に向けて軌道に乗るのは発射後だ。これは発射のテンポを高める。『Buk-M3』はミサイルの発射方向に合わせて向きを変える必要がないため、一発目の発射から間髪を入れずに連続発射が可能だ」とロシア通信は報じている。
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