1926年にモスクワ自動車協会工場(現在はZiLの名で知られる)が製造したソビエト初のバスがAMO F-15だ。このバスはソビエトの同名のトラックをベースにして作られた。
1938年に登場したZIS-16は旅客バス以外の用途にも使われた。第二次世界大戦中このバスは保健衛生車、移動式司令部、スピーカー付きの無線送信車として幅広く用いられた。残念なことに、前線近くで任務に当たったために、このバスの大半は破壊されてしまった。
1955年に製造されたZIS-127はソビエト初の長距離バスとなった。しかし数年後ソビエト連邦は自国産の長距離バスを開発するという構想に終止符を打ち、ハンガリーのバス、イカルスを購入することを決定した。ZIS-127の製造は1960年に終了した。
製造が容易なZIS-155(1956年に登場)は、初めて国外へ輸出されたソビエト製バスの一つで、ポーランド、東ドイツ、中国、モンゴル、アフガニスタンに向けて輸出された。
リヴィウ・バス工場で設計されたLAZ-695は1956年に運用が始まった。この長寿のバスは何度も改修を経て50年以上も運用されている。製造は2008年に終了した。
その古さにもかかわらず(1957年に登場)、PAZ-627は今なおロシアの田舎町で、市民の足として、また霊柩車として使用されているのを目にすることができる。。
このバスはまさに画期的で、専門家たちはその車体のデザインや技術的特徴をこぞって称賛している。ウクライナ67はフランスのニースで開催された第18回インターナショナル・バス・ウィークにおいて、フランス大統領賞を含め、いくつもの賞を獲得した。
このバスが公道に登場したのは1967年で、“働き者バス”として有名になった。このバスが見られない街はソビエト連邦には一つもなかった。
1970年に登場したLAZ-360は、路面からの床の高さが360ミリメートル(足首ほどの高さ)という世界初の低床バスであった。
1989年以来パヴロフ・バス工場(PAZ)の誇りと喜びとなったPAZ-3205は西側の市場でも販売され、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、メキシコ、カナダの公道で目にすることができる。
ソビエト連邦解体後、ロシアの自動車産業は深刻な危機に直面したが、プロジェクトの中にはなんとか持ち堪えたものもあった。LiAZ-6212は1990年代初頭から開発が進められ、2002年に製造開始となった。このバスはルーマニア、セルビア、キューバでも用いられている。
2001年に登場したヴォルジャニン6270は、今でも世界で最長の一階建てバスの一つだ。
ヴォルガバス工場が設計した新しい電気バスはバッテリーの充電に6時間しかかからない。公道を終日走らせることができ、夜間充電のために車庫に戻るまでにおよそ160マイル走行できる。
“クルーズ”として知られるLiAZ-529115は、ロシアの過酷な気候条件下での長距離輸送用に設計されている。このバスは屋根や床、側面に暖房設備を強化するなど、保温効果が高められている。
伝説的なトラック製造工場KamAZは、バスの製造においては伝統的な主導者とは呼べない。しかし2016年、この工場は自動運転技術を備えた新しい電気バスを生み出した。バスのAIシステム装備に関しては、KamAZはヤンデックス・コーポレーションの協力を得ている。
*ロシアのバス停の中には真の芸術作品と呼べるものがあることをご存知だろうか。こちらをどうぞ。
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