スコルコヴォ革新的で暮らしに役立つ5つのプロジェクト

 完璧にフィットする靴を見つけるのに苦労している?金をかけずにハリウッドのスターみたいな笑顔をつくりたい?ロシアの新興企業がその実現のお手伝いをする!

 モスクワ郊外にあるハイテク拠点、ロシア版シリコンバレー「スコルコヴォ」には、現時点で、200以上の新興企業が入っている。これらの企業には、ビジネスマインドとイノベーションの育成を目的として、財政的、法的支援が与えられるだけでなく、地元のインフラにアクセスしやすい利点もある。

 これらの若いロシア企業は、本当にそれぞれの分野に変化をもたらし、それをグローバル化することができるのだろうか?ロシア・ビヨンド記者はスコルコヴォに赴き、それを見つけようとした。その結果、すでに国際的に注目を集めている5つの興味深いスタートアップがあることが分かった。

1. VIST Robotics

 ロボットは、街頭ではまだそんなに見かけないが、鉱業の採鉱の分野にはすでに変革をもたらしている。その原動力になっているのがVIST Roboticsだ。ロシアの専門家は、掘削機、ダンプカー、ローダーなどの鉱山設備の遠隔制御システムを開発し、無人で採鉱することを可能にした。

 「2014年には、モロッコでの入札で、カナダ、日本、アメリカの競合他社に勝った」と、VISTグループ社長のドミトリー・ヴラジミロフ氏は述べている。「それ以来、我社は、モロッコの国営リン酸塩会社『OCP』と協力してきた(*リン酸塩は、食品添加物、洗濯用洗剤の成分、金属の表面加工などに用いられる――編集部注)。その目的は、5つの鉱業分野で、遠隔制御システムを設置すること。OCPはまた、プロジェクトのための試験場を設けることを提案した」

 VISTのプロジェクト「賢い採鉱」は、採鉱の効率を15〜20%向上させ、コストを最大15%削減し、鉱業の安全性を高める。また、ロシアだけでなく世界各地で、遠隔地や気候の苛酷な地域での作業を助ける。

2.ドンマー(3Dスマイル・ラボ)

 長い間、歯をまっすぐに矯正する最も一般的な方法は、ブレース(ブラケット、矯正装置)だったが、今ではロシアだけでなく世界中で人気がなくなってきている。しかし、透明マウスピース型矯正「クリアアライナー」のほうは、以前は、歯の矯正には高価すぎると考えられていた。ところが、状況が変わる可能性がある。ロシアの「3Dスマイル・ラボ」は、国際的な競争相手より安価で、効果的だ。歯の歯冠と歯根の両方を調整できるためである。

 「私たちは、患者の歯型を送ってくる医師と協力して、スキャンし、3Dモデルを作る。私たちの革新的なソフトウェアは、そのモデルを見て、治療の全過程をはじき出す」と3Dスマイルラボのマリーナ・ドムラチェワ社長は述べる。

 「費用の点では、我々のアライナーは、欧米の三分の一で、モスクワの従来型のブレースの値段にほぼ等しい(約3万8千~4万7千円)」
同社は、ロシア、インド、イスラエル、米国の800人の医師と協力している。

3.モトリカ

 2015年設立のベンチャー企業「モトリカ」は、「人間をサイボーグに変える」と、バイオエレクトロニクスの義手開発の責任者、フョードル・クブシキン氏はジョークを飛ばす。モトリカは、個人のニーズと好みに合わせて、すべての年齢層のための筋電義手(トラクション〈駆動力〉プロテーゼとバイオプロテーゼ)を製作している。

 義手は、個人ごとに作られ、様々な技術(電子マネーのPayPassなど)を使用し、スマートフォンとしても機能する。 価格については、トラクションプロテーゼは10万~15万ルーブル(約19万円~29万円)で、バイオプロテーゼは、機能によるが、約35万ルーブル(約67万円)。

 「同様の機能を備えたドイツ製義手は、約100万ルーブル(約190万円)する」とクブシキン氏は言う。「一般的には、義手の価格は100〜500万ルーブル(約190万円~950万円)だが、我々のはその三分の一」
同社は、ロシア、カザフスタン、ウクライナ、ベラルーシ、英国、米国の顧客から受注し、すでに納入済み。昨年は200以上の義手を生産した。

4.TRY.FIT 

 足にぴったり合う靴を見つけるのに苦労したことはないだろうか?この技術を使えば、より迅速かつ効率的にそれが実現できる。スコルコヴォに入居している一社は、自分の足をスキャンして完璧な靴を見つける3Dスキャニング技術を提供している。スキャンした後で、データベースのオプションから選択して、最適な履物を見つけることができる。つまり、このアプリが3Dモデルを保存して、パートナーショップに購入依頼を送信するわけだ。

 「我々はあらゆる靴メーカーと協力することができる」。TRY.FIT社のヴァガン・マルティロシャン社長は、ロシア・ビヨンドに語った。「今、私たちは、デカトロン、ラルフ・リンガー、Econicaと協力し、アディダス、ニューバランス、Intersportと技術テストを行っている。我々はまた、他の主要なアメリカのブランドと交渉している」

5.キックスケーター・シェアリング

 自転車と車の共同使用は多くの都市で普及しているが、キックスケーター(ロシア語ではサモカート)はどうだろうか?軽いし、折りたたみ式で便利だし、楽しい。それならシェアリングのシステムを作ってもいいではないか。これがロシアのスタートアップ「Samocat Sharing」がやっていることだ。

 彼らは、キックスケーターのレンタル・ステーションの信頼できるシステムを考え出した。ユーザーはモバイルアプリを介してキックスケーターを借りることができる。 モスクワでのサービスの費用は毎分2ルーブル(約4円)。すべてのスケーターには盗難防止機能がある。ネジが外れない頑丈な構造で、スケーターを追跡できるGPSチップが付いている。

 同社はすでに、モスクワとフィンランドのエスポー市にスケーターステーションを持っている。さらにヨーロッパとアジア諸国に進出する計画だ。

 「Samocat Sharing」社を立ち上げたワシリー・ブイコフ氏は、「我々はすでに、約50万ドル(約5400万円)を投資した。さらなる研究開発のために百万ドル(約1億700万円)を投資する予定」と、ロシア・ビヨンドに語った。「我々は現在、大都市への進出に照準を合わせているが、大都市では高度なセキュリティが必要とされる。この要件を満たすためには、より多くの費用がかかる」

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