エクラノプラン:ソ連の秘密兵器を軍民両用で復活

タス通信/マクシム・グリゴリエフ撮影/TASS
 「エクラノプラン」は、かつてソ連で開発された地面効果翼機(WIG)で、その開発・製造が再開されることになった。 WIGは、滑らかな地表面または水面上を、機体幅と同じくらいの超低空で飛行し、それによって得られる「地面効果」を利用して、高速と大量輸送を両立させる。復活WIGは、旅客輸送、兵員輸送、戦闘活動に使われることになる。

「エクラノプラン」は、かつてソ連で開発された地面効果翼機(WIG)。翼と水平面(つまり海、砂漠、氷など)との間の航空力学的な相互作用を利用して、超低空での持続的な飛行を可能にする。この相互作用の効果は「地面効果」として知られている現象だ。

  ソ連の指導部は、こうした航空機の開発に大いに注力した。これらの機体は、未来の戦争を担うものと考えられていた。

 エクラノプランは、レーダーやソナーでは探知できない。また、水面上を飛行することによって、機雷を回避できる。

 しかし、重大な欠点もいくつかある。ほとんどのエクラノプランは、平滑でない、地表面や水上面の上を飛ぶことができない。また、機動性も低く、装甲も薄く、防空システムもあまりないので、戦闘機の攻撃に弱い。

 1966年に建造された、実験的なエクラノプランには、「カスピ海の怪物」というあだ名がぴったり合っている。全長92㍍で、翼の長さは77.6。1988年に、アントノフ設計局が開発した6発の大型輸送機An-225「ムリーヤ」が登場する前は、最大の航空機だった。 「カスピ海の怪物」は、1980年に事故を起こすまでに15年間にわたり、一連のテストを経ている。このプロジェクトは、そのまま前には進まなかったが、将来のエクラノプランの基礎となった。

 「カスピ海の怪物」の「子孫」の一つは、中型エクラノプラン「A-90 オルリョーノク」だ。これは、150名の兵員または装甲車輌2両を積載できるはずだった。また、同機は、「カテゴリ5」の時化でも離着陸できた。

 1986年に登場した大型エクラノプラン「ルン」型は、アメリカ軍に多大な懸念を引き起こした。全長73㍍で、500km / hを超える巡航速度を誇った。ミサイル巡洋艦に匹敵する強力さなのに、速度はその5倍も速かった。対艦ミサイル「モスキート」を6 発搭載しており、どんな攻撃部隊にとっても危険な相手だった。

 ソ連崩壊後も、エクラノプランの生産は続いた。もっとも、能力の限られた数種の機体にすぎなかったが。だが今やロシアでは、民間と軍事、双方のために、大型多目的エクラノプランを製造する構想が復活しつつある。

 エクラノプラン「Chaika-2」(チャイカはかもめを意味する)は、2019~2020年に完成する見込みだ。最初のチャイカは、1970年代に設計・生産されている。この新しい機種は、民間と軍用の両方で使用する予定。設計した「Radar MMS」社は、Chaika-2をインドに輸出する計画であり、同国で超音速巡航ミサイル「ブラモス」が装備される可能性がある。ブラモスは、ロシアとインドが共同開発している。

 Chaika-3は、将来のプロジェクトだ。詳細は不明だが、この輸送用のエクラノプランは、Chaika-2よりも重く、100トンの積載能力があることが知られている。