ロシアの若き発明家たち

ロシアの若き発明家たち

ロシアの若き発明家たち

写真提供:Technopol Moscow
 ロシアの若き発明家たちが、世界青少年発明工夫展2017(IEYI 2017)に参加する。彼らが出品するのは、「音のコンパス」、“念力”で操縦する車、放射能汚染区域で駆動できるロボット、視覚障害者の空間の認識を助ける装置など。彼らのうち4人が、自分が出品する発明について、将来の計画について、さらに、いかに科学に目覚めたかについて、ロシアNOWに語ってくれた。IEYI 2017は、7月27~29日に名古屋で開催。ロシアの青少年がIEYIに参加するのは初めてだ。

ステパン・ラプシノフ(15才)、モスクワ

発明:放射能汚染区域で駆動できるロボット

ステパン・ラプシノフさん\n写真提供:Technopol Moscow<p>ステパン・ラプシノフさん</p>\n
放射能汚染区域で駆動できるロボット\n写真提供:Technopol Moscow<p>放射能汚染区域で駆動できるロボット</p>\n
 
1/2
 

 僕は幼いころから、自分をとりまいている事物がどんな仕組みをもっているのか、機械がどう作動するのかなどを突き止めるのが好きでした。数年前、僕は指導教官から、国際コンクール「Eurobot」について教えられ、それから毎年、新しいロボットを作ってコンクールに参加しています。

 原子力企業では、放射性廃棄物の処理のいくつかの段階で、まだ手動の操作が残っています。例えば、固形物の放射性廃棄物を圧縮する際には、人間が操作するローダーが使われています。それで僕は、コンテナを移動し開けるプロセスを自動化しようと思ったのです。僕の考案した自動ロボットと、コンテナを開ける補助機械とを使えば、人間の手を煩わさなくても、放射性廃棄物を処理することができるんです。

 僕にとって、IEYIに参加する主な目的は、賞を取ることではなく、他の参加者たちと経験を交換することです。今、人々は何に興味をもっているのか、将来、自分の発明でどんな人助けができるのか知りたいと思います。

 僕は9年生(日本の中学3年生に相当)になったばかりですから、僕の手近な目標は、早く学校を卒業して、技術の研究開発にもっと時間を割くことでしょうか。

 

オレグ・ジャトロフ(16歳)、サンクトペテルブルク

発明:念力で操縦する車

オレグ・ジャトロフさん\n写真提供:Technopol Moscow<p>オレグ・ジャトロフさん</p>\n
&ldquo;念力&rdquo;で操縦する車\n写真提供:Technopol Moscow<p>&ldquo;念力&rdquo;で操縦する車</p>\n
 
1/2
 

 数年前、ママは僕をデジタル製造ラボ「ファブラブ・ポリテク」(ピョートル大帝記念サンクトペテルブルク工科大学付属青少年科学技術創造センター――編集部注)に連れて行ってくれました。ここで僕は、モデリング、プログラミング、はんだ付けのほか、レーザ加工機、プロッター、3Dプリンタなどの作業の基礎を学んだのです。

 ある技術系の学校で、学生のグループが、プロジェクト「ニューロン・バーテンダー」を立ち上げました。これは、ブレイン・マシン・インターフェースを介してコップに水を注ぐことができる装置です。で、僕は考え始めました。ブレイン・マシン・インターフェースを利用して他にどんな面白いプロジェクトができるかな、と。こうして「“念力”で操縦するニューロンモービル」のアイデアが生まれたわけなんです。

 もっとも、ニューロンモービルの稼働期間は短かった。ゼロから限られた時間で開発したものですから。その後僕は、第2号を作り、それを日本に持ってきました。

 来年の夏、僕は、ピョートル大帝記念サンクトペテルブルク工科大学に入学するつもりです。

 

マリア・ヤウシキナ(17歳)、サローフ

発明:「音のコンパス」(音の発信源を自動的に探知する装置)

マリア・ヤウシキナさん\n写真提供:Technopol Moscow<p>マリア・ヤウシキナさん</p>\n
「音のコンパス」\nTechnopol Moscow<p>「音のコンパス」</p>\n
 
1/2
 

 私は長い間、自分が技術に関心があるとは意識しませんでした。でも、世界の仕組みがどうなってるかにはいつでも興味がありました。そして、技術的な面から世界をより良いものにしたいなあと思ってました。

 私の発明は、バイノーラルビート効果に基づくもので、音の発信源の方向を認識します。現代世界では、ロボットは事実上あらゆる生産の分野で使われており、“人間の友だち”になりつつあります。ですから、こういう、人間の日常の欲求に応えるシステムは、人間と同じように世界を知覚すべきだと思うのです。それはつまり、感覚器官に似た電子装置を作るべきということになりますよね。

 というわけで、人間の聴覚に似た、この電子システムは、音の発信源の方向を認識できるんです。これは、人間とロボットのインタラクティブな反応のシステムには重要ですよね。

 この装置は、ロボットの“技術的視力”としても応用できますし、最も広範な利用の可能性としては、集団的な安全保障のシステムじゃないでしょうか。

 

ミハイル・スルコフ(16歳)、モスクワ

発明:視覚障害者に障害物を教える装置

ミハイル・スルコフさん\n写真提供:Technopol Moscow<p>ミハイル・スルコフさん</p>\n
視覚障害者に障害物を教える装置\n写真提供:Technopol Moscow<p>視覚障害者に障害物を教える装置</p>\n
 
1/2
 

 僕は、ロボット、プログラミング、精密機械などに熱中してますが、そうなるように助けてくれたのはパパです。ロボフェスト2012に連れて行ってくれたのがきっかけになりました。

 プロジェクト「視覚障害者のための装置」というと、世界には似たようなものがたくさんありますから、僕のが最初というわけではありません。でも、僕の装置が他のものと違うのは、操作が簡単で便利で、肝心なのは、安くて手に入りやすいということでしょうか。

 この装置は、視覚障害者の空間の認識を助けてくれます。腕に装着するほうの装置は、使用者の近く(10~150センチメートル)にある障害物を見つけてくれますし、首につけるのは、もっと遠く(15~400センチメートル)にあるものを発見します。

 二つの装置の“中身”はだいたい似たようなものです。装置の“箱”はすべて、プラスチック素材で3Dプリンターでコピーできます。

 他の国のプロジェクトをとても見てみたいです。どんなことをやっているのか、ロシアの装置やロボットとどこが違うのか。

 将来的には、この装置をもっと改良し、個々の物体を認識できる機能を追加し、認識可能な距離も延ばしたいと思います。僕のプロジェクトを商業化するとか、誰でも家で作って利用できるようにするとかいったアイデアもありますが、まだどうするか決めていません。

もっと読む:空飛ぶタクシー2018年にも乗客輸送か>>