ロイター通信
ヨタ・デバイセズが新型タブレットの開発に取り組んでいる。タブレットはスマートフォンと同様、両面仕様。片面は標準的な画面で、裏面はイーインク(e-ink)画面。ヨタ・デバイセズのウラジスラフ・マルトィノフ社長がこれを伝えた。同社は現在、主要製品のヨタフォン2に集中しているが、タブレットの開発も同時に進めている。発売については現在未定。
原価よりも大切
ヨタフォンの発明者の一人であるドミトリー・ゴリロフスキー氏は、ヨタ・デバイセズの開発が実現すれば、タブレットが9インチ画面または10インチ画面の大きなものになると考えている。これは低コスト製品ではないことを意味する。
「裏面がなければコストは300~450ドル(約3万6000~5万4000円)ほどだが、イーインク画面でプラス150ドル(約1万8000円)になる」とゴリロフスキー氏。
マルトィノフ社長は、コストよりも重視しているものがあると話す。「市場に新しい機器が登場する時にもっとも重要なことは、他とは違う優位性すなわち快適で便利なタブレットでの作業。このような優位性にユーザーはお金を払っても良いと考える」
マルトィノフ社長は、開発プロセスがコンセプトから始まると説明した。同社の専門家が提案する様々なアイデアは、製品の商業的な有効性と潜在性を分析する部署に伝えられる。
「タブレット製作プロジェクトは現在、有効性評価の段階にある。学生、公務員、サラリーマンなど、異なる層にどれほど受け入れられるかといったユーザーの好みの分析が行われている」とマルトィノフ社長。
ユーザーをひきつける新機能
マルトィノフ社長によれば、ヨタフォンの主要な優位性の一つは、イーインク画面の省電性。「タブレットの充電は問題にはならない。市場には1回の充電で長時間使用できるようなデバイスがたくさんあるため、優位性とは見なされない。タブレットに必要なのはユーザーにとっておもしろい他の特徴」
イーインクの他の優位性とは、まぶしい太陽の下でも画面の画像をはっきりと見ることができる点であるが、開発者によると、それでも高価な機器にはまだ足りないという。ヨタ・デバイセズは、両面仕様のタブレットの使用に特別な「シナリオ」を加えることができると考えている。
ロシア最大の携帯電話博物館の所有者エヴゲニー・コズロフ氏は、ヨタ・デバイセズにとっては、スマートフォン市場でさえ食い込むのは容易ではないと考える。ヨタフォンの裏面は通常、充電の残量減少を抑えるために、メッセージを読んだり、必要に応じてそれに反応したりするために使用されている。しかしながら現在の市場に投入されつつあるスマートウォッチにも、そのような目的がある。
コズロフ氏によると、ヨタ・デバイセズはタブレット市場にオリジナルを投入しようとしている唯一の会社ではないという。中国のメーカー「レノボ」は例えば、プロジェクター搭載のタブレットを発表した。ユーザーはあらゆる面にディスプレイから画像を投影することができる。「これらのガジェットはブームを起こさなかった。現代の技術の可能性を示す、ニッチ製品のままであり続ける」とコズロフ氏。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。