ロケット爆発に「極めて厳しく」対処

事故が起きた「プロトンM」と「グロナスM」3機の製造および発射準備にかかった費用は、 約44億ルーブル(約132億円) =タス通信撮影

事故が起きた「プロトンM」と「グロナスM」3機の製造および発射準備にかかった費用は、 約44億ルーブル(約132億円) =タス通信撮影

ロケット「プロトンM」の打ち上げ失敗を受けて、ロシアの宇宙ロケット開発分野の改革が急がれている。推定事故原因はすでにいくつか挙げられている。ドミトリー・ロゴジン副首相によると、今後この事故に対する「極めて厳しい」結論が下され、宇宙開発分野は大きく変わることになるという。

公開株式会社「統一ロケット・宇宙会社」創設へ 

 ロゴジン副首相は、「プロトンM」の打ち上げ失敗の原因を究明した後、極めて厳しい結論が下されると述べた。

 「宇宙ロケット産業の改革に関する大統領決定案が作成される。統一機構の中に合併会社をつくることがその改革の原則となる。これは国営企業ではなく、仮称『統一ロケット・宇宙会社』という公開株式会社だ」。

 この分野の改革の概念を作成する特別委員会の設置も、大統領によって決定されたという。また、開発品品目の縮小を目指す統一技術政策を適用して、無事故 率を高める。ドミトリー・メドベージェフ首相は2日、政府の事故調査委員会を立ち上げるよう、ロゴジン副首相に命じた。

 

発注組織と実行組織が同じ」との批判も 

 ロシア宇宙航行アカデミーの会員であるアレクサンドル・ジェレズニャコフ氏は、「ヴズグリャド」紙にこう話した。

 「この分野の改革は事故後の今ではな く、ずっと以前に必要だった。この分野の危機と改革の必要性についての話し合いは、すでに2年半も続いている。残念ながら問題は引きのばされ、新たな事故 も起きてしまった。改革の道はいくつかある。そのうちの一つは包括的な国営企業を設立すること。ただ正直なところ、この案はあまり好きではない。発注組織 と実行組織が同じになってしまうから。また、このような国営の株式会社の活動は、政府機関よりも透明性が低い」。

プロトンM爆発落下事故 =ロシア通信撮影


推定事故原因

 ロゴジン副首相は、遠隔測定の結果次第で原因を結論づけられると話したが、推定事故原因はいくつか挙げられている。

 宇宙ロケット分野の関係筋は、エンジンまたは制御システムの問題の可能性があると話した。「制御システムかエンジンだろう。発射後10~20秒以内に事故が起こったのであれば、エンジンが原因である可能性が高い」。

一方で他の関係筋は、人的要因ではないかと考える。「これはかなり単純かつ有名な機械だ。物的要因ではなく、人的要因、しかも製造にからんでいるようだ」。

 

プロトンM爆発落下事故

 上段ロケット「DM03」と全地球的航法衛星システム「グロナスM」3機を積んだ打ち上げロケット「プロトンM」が2日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地を発射した直後に爆発、炎上し、そのまま地上に落下した。事故が起きた「プロトンM」と「グロナスM」3機の製造および発射準備にかかった費用は、 約44億ルーブル(約132億円)。打ち上げの失敗は、グロナス・システムの実現にも影響を与える。  

 また今後3ヶ月以内に予定されている、バイコヌール宇宙基地からの他の打ち上げも延期される。専門家によると、事故原因が究明され、さらに事故調査委員 会が作成する信頼性向上のための推奨事項が実施されるまで、プロトンの打ち上げは無期延期されるという。バイコヌール宇宙基地の次の打ち上げは7月21日 に予定されていた。今年末に予定されている、国際宇宙ステーション向けの多機能実験モジュールの打ち上げも、この事故の影響で延期される可能性がある。