日露学者が自然保護区を共同調査

=ヴィタリー・アンコフ/ロシア通信撮影

=ヴィタリー・アンコフ/ロシア通信撮影

沿海州の国立生物圏自然保護区シホテアリニと、北海道の知床国立公園には、類似している点が多い。そのため、日本とロシアの学者は情報を共有し、共同調査を開始した。

 日本とロシアの学者は初めて、シホテアリニとその自然に類似した知床国立公園の生態系を、共同で調査している。シホテアリニのアナトーリ・アスタフィエフ園長が明らかにした。

 知床半島とほぼ同緯度の北緯45度20分に位置するシホテアリニは、1935年に設立された自然公園で、アムールトラの観察に適している。

 アムールトラは、現存するトラの亜種では最大で、全長3m、350kgを超えた例も報告されているが、絶滅が危惧されている。かつて戦国武将の加藤清正が朝鮮出兵で退治したのは、このトラだと考えられている。最新のデータによると、約40万ヘクタールの広大な敷地に、50頭弱のアムールトラが生息しているにすぎない。

 

知床とシホテアリニの共通点

 アスタフィエフ園長によると、世界遺産に登録されている2園は、生態系や地形の点で非常に類似しており、それらの特性は、地元住民の生活や天然資源の利用に良い影響を及ぼしているという。陸、オホーツク海、日本海の生態系の長期調査、また地震現象などの自然の変化を予測するうえで、重要拠点として活用することができる。

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アムールトラ:大きくて希少

 「2園に共通する問題を議論する中で、それぞれの長所が見えてきた。それはシホテアリニのもつ学術上の可能性と、知床のエコ・ツーリズムだ」とアスタフィエフ園長。

 この議論で、日露の学者は、以下の点で見解の一致をみた。

  1. クマ、ニホンジカ、カワウソ、遠洋動物の生態について、緊急に共同研究を行うことが必要である。
  2. 自然の変化のプロセスを発見し、自然災害を警告するために、生態系変化の定常追跡拠点を設置せねばならず、そのために、陸域・海域保護区の調査を行わねばならない。農業と漁業の発展のためにもそれが必要である。

 

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